さあ、どちらを雇いますか?

清楚な服装の、おとなしい(おとなしすぎる?)女性。
予約の時間の少し前に現れて、静かに待っています。
あなたがあいさつしても、はっきりとした返事が返ってきません。
高校名は?とたずねても、「・・高校」と、肝心なところが聞こえません。
学校の成績はよく、特に数学系が得意。
きちんと座って、うつむいたまま、淡々と履歴を語ります。

次の面接希望者は、男性。約束の時間に10分ほど遅れて、ラフな格好で現れた彼は、大きな声であいさつすると、半身を傾けて椅子に座り、机に肘をついて、にこやかに自分の希望や経歴を語っていきます。

全く対照的なこの二人。
自分の店の販売を担当する人を雇いたい時、どちらをえらびますか?
新たに事務職を雇いたいあなたなら、女性、男性、さあ、どっち?

これが、Longman社の英語のディスカッションの教科書、Make Your Point の最初のレッスン。
ワン・レッスンが見開きで、左側に状況が与えられ、右にはその状況に合わせて、質問や、重要ポイントのまとめがついています。

わたしたちは、この状況に遭遇しても、なかなかディスカッションに結びつきません。「販売員なら元気な方がいい」とか、「事務ならおとなしくて、黙々と仕事をする人がいい」というプロトタイプのイメージで、選んでしまいます。

心の中では、そうしたことを考えるのですが、ほかの人にわかってもらうために説明することをしない。
なぜなら、そんなことは「いわなくてもわかる」から。
でも、そこを説明するのが、英語なのですね。

このテキストは、今まで何度も利用してきましたが、どんなレベルの人でも、話す内容を持っているトピックなので、あとは英語表現の問題です。
右側の質問を読むことである程度ふさわしい表現が分かりますから、そういう意味でも有効な「考え方」のテキストです。

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