孫引きになりますが、晴山陽一さんの「英語ベストセラー本の研究」によると、朝日新聞社から「『日米会話手帳』はなぜ売れたか」が出ているそうです。
この本には、戦争直後のベストセラー、『日米会話手帳』が全ページ、コピーされているそうで、貴重な資料と言えるようです。
注目は、この『日米会話手帳』の英語に添えられたふりがなです。
今日は。 How do you do? ハウ ディ (ハウ ディ ドウ)
今晩は。 Good evening! グ・ディーヴニン(グ)
当時、一世を風靡した平川唯一先生の「みんなのカムカム英語」でも
Come on, kitty. Come here.
カ モァン キリー カメーァ
というふりがながついているそうです。
これは驚くべきことです。
オードリー・ヘップバーンと同じ名字を明治のころはヘボンと記述していました。
英語のつづりが入ってきたことで、却って英語の本当の音そのままの記述が消滅してしまったように思えます。
書かれたふりがなに忠実に音を出してみると、本当に英語らしい発音になります。
昔の日本人が生み出していた歴史的な教材を見ていくと、驚かされることがたくさんあるものです。