ドリトル先生、アフリカへ行く

ドリトル先生物語の第1作にあたるのが、この「ドリトル先生、アフリカへ行く」です。作者のヒュー・ロフティングが、始めて書いたドリトル先生のお話です。ヒュー・ロフティングは、このシリーズを、生きている間は、ずっと挿絵も書いていました。ですから、第1作目のこの作品でも、一生懸命、挿絵を書いていますが、初めてのせいもあり、まだまだ、何となく、洗練されておらず、2作目以降の挿絵に比べると、かなり「もっさり」…

続きを読む

小鷹信光さんのこと④訂正

小鷹信光さんのこと④訂正小鷹さんのことを調べなおして、ミスをしていたことが分かりました。わたしが、小鷹さんの亡くなったことを知ったのは、ミステリマガジンによってでした。追悼号が、2016年の3月号なので、1月頃に出ているはずです。このことから考えると、2015年の年末ごろに亡くなられているのでは、と考えられます。なんとなく意識的には、もっと最近のような気がしていました。ほかにもわたしの好きだった仁…

続きを読む

小鷹信光さんのこと③

小鷹信光さんのこと③辞典の役割に関する説明の後、小鷹さんの本では、実戦的に、トム・ウルフのエッセイを、辞典を使って訳していく具体例を示してくれています。この部分にも「辞書は役に立たないのか?」というセクションがあり、具体的に、どのように調べて、どういう訳文にしていくかの例があります。たとえば、① the New Yorker who wears an amused Upper Bohemian a…

続きを読む

小鷹信光さんのこと②

小鷹信光さんのこと②その小鷹さんの著書、「翻訳という仕事」には、英語を学んでいる人にも参考になる記述が、いっぱいあります。「辞書が欠乏していた時代にこの道の先輩たちが必死に頭を使ったその努力が忘れられている」そして、「辞書がなかった時代に比べると、いまは辞書〈情報〉に振り回されている時代と言える」ここから、ある英語研究雑誌に小鷹さんか書かれた記事の引用になります。その中から、興味深い文を抜粋してみ…

続きを読む

小鷹信光さんのこと①

小鷹信光さんのこと①コダカ・ノブミツさんをご存知ですか。以前、テレビ放映されていた、松田優作の「探偵物語」の原作者。ミステリ分野、とくにハードボイルドミステリの大御所評論家。ハヤカワ・ミステリにある、ペイパーバック記念コレクションの収集家。そして何より、「マルタの鷹」「郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす」などのミステリの翻訳家。翻訳教室講師。さまざまな肩書を持つ小鷹さんがなくなったのは昨年の話です…

続きを読む

英語で考えるとはどういうことか①

英語で考えるとはどういうことか①私たちが英語の勉強をしていた時代は、ちょっと独特の時代だったのかもしれません。当時、私たちが非常に関心を持っていたのは、「英語で考えることは可能か」というトピックでした。アポロの同時通訳者をつとめ、その後は国会議員になる國弘正雄先生が、テレビ英会話上級の講師として活躍されていました。最初はスキットとよばれる寸劇を見て、表現などを練習するという、ごく普通の英語番組でし…

続きを読む

便利と不便のはざま

便利と不便のはざまある記事から。ある日、主人公は、車にはねられそうになります。直前まで、車が近づいてくることに全く気付きませんでした。それは、その自動車がハイブリッドカーで、ほとんど音がしなかったからです。それまでの常識では、自動車が近づいてくるときには、エンジン音や、車輪のきしみなどの騒音で、それと気づいたものでした。交通量の多い道路のわきに住んでいる方たちは、絶え間のない騒音に悩まされていまし…

続きを読む

褒め言葉への対応

褒め言葉への対応ニューヨークタイムズの記事です。よく言われることばに、日本人は、お世辞に対して、照れたり、否定したり、なかなか素直には受け取らない。でも、この記事によれば、アメリカ人だって同じようなものなのだそうです。オフィスで、チョコレートをつまんでいたら、その包み紙に、「女性の皆さん、お世辞に対しては、話題を変えたりしないで、ありがとう、と受け止めましょう」と書いてあったそうです。まあ、チョコ…

続きを読む

「まだらの紐」から④

「まだらの紐」から④早朝から、助けを求めてホームズのもとにやってきた若い女性ストーナー嬢。この義理の父であるロイロット博士の不審な行動、そして彼女も博士の標的になっている可能性があることにきづいたホームズは、「いそいで彼女の自宅に出かけなくてはならない」とワトソンに告げます。And now, Watson, this is too serious for dawdling.「さあ、ワトソン。これは…

続きを読む

「まだらの紐」から③

「まだらの紐」から③ホームズも、ここまでの調査で、ロイロット博士の動機があることについてはこういいます。My morning’s work has not been wasted, since it has proved that he has the very strongest motives for standing in the way of anything of the s…

続きを読む