今回はTOEICリーディング対策を音読で行うための講座です。
一見、リーディングと音読とは関係がないように思われますが、そんなことはありません。
実は、リーディングをするためには、二つの重要なポイントがあります。
ひとつは速度。
頭の中でも「翻訳」をしつづけていたのでは英語に対して、そのまま対応することはできません。
スピードも上がりません。
この問題を克服するための方法はひとつしかありません。
英語で考えること。
そして英語で考えるためには、一つ一つの表現を、日本語に訳さなくてもよいレベルまで、覚えこんで、英語に対して英語で反応できる脳を作り出す必要があります。
このための必須の方法が音読です。
すなわち、読むべき文を音読することで、次に同じような英文に出会ったときに、訳読しなくても、意味をつかむことができるようになります。
このためには、問題集で、わかりにくい英文、訳さなくては意味のとれない英文を、きちんと理解した上で、何回か音読することです。
こうすることで、訳さなくてはわからない文章が、だんだんと、英語でそのまま理解できる英文に代わっていきます。
つぎにリズムです。
英文を読むときに、たとえばラジオや他の人のスピーチを聞いているときのようなリズムを感じることができれば、与えられた文全体に目を通さなくてもメッセージをつかむことができます。
このことは、もちろんスピードを上げるのにも役立ちますが、それ以上に、英語の論理をつかむのにふさわしい方法です。
できればリズミカルな文章を何度も音読することがおすすめです。
たとえば、A.A.ミルンの書いた「クマのプーさん」という童話があります。
じつはミルンはそれ以前に、2冊、童謡集を書いていて、ベストセラーにしました。
その後、ミルンが童話集を書いている、と発表した時、周りの人たちは、童謡集を超える作品を書くことはできないだろう、といったそうです。
ところが、「プーさん」と、その続編「プー横丁に立った家」は2冊の童謡集をはるかに超える大ベストセラーになりました。
その秘密は、読み聞かせてあげると、子供が自然に踊り出す、と言われたその見事なリズムにあります。
同様に、「星の王子さま」ももともとフランス語で書かれたものですが、その英訳版は見事なリズムを持った文章になっています。
これまた英語を「呼吸」から学ばせてくれる素晴らしい本だと言えます。
今までにあげた作品をひとつでも良いですから、一部分、音読してみてください。
おそらく、英語、音読に対する認識が大きく変わるでしょう。
そしてそうすることによって、あなた自身の英語力も大きく伸びてくるはずです。