日垣隆「つながる読書術」

日垣さんのメルマガ「ガッキーファイター」のファンで、できるだけ新しく出された本にも目を通すようにしています。

日垣さんのすごさは、あるものの基準を、数値化して出してくれることです。
たとえば、この本では「本の読み方」として、一冊を三時間で読む方法として、「3つのポイントを抽出する」ことを挙げています。

1、「おもしろい!」と思う箇所を10ヶ所
2、「人と話し合いたい」あるいは「自分で考えたい」というテーマか問題点を
  3ヶ所
3、「許せない、これは絶対違うと言っておきたい」と主張したい箇所を1ヶ所
を抽出できれば、「その本を大体読めた」とみなしてよいでしょう。

といった具合に、わかりやすい定義をだしてくださっています。

そのほかにも
「全集を読み、思考にどっぷりつかる」
全集を一気に読めば、一人の個人がどれだけバリエーションのあるものを書けるのか、あるいは一貫性があるかないかを肌で感じ取れることでしょう。

わたしは、以前から全集を集めて読むことが好きでした。
江戸川乱歩、夏目漱石、夢野久作、筒井康隆、北杜夫などといった作家の全集を集めて、何度も読み返しています。
たしかに日垣さんもいわれるように、その作家のもっている個性のようなものが、どの作品にも刻印されていることがわかってきますし、その作家の持つ世界のすそ野のひろがりも明らかになってきます。

そうした読書に関する日垣さんの知恵と見識がいっぱい詰まった本だと思います。
ぜひ、手元に置いて読み返したい本です。

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