便利と不便のはざま
ある記事から。
ある日、主人公は、車にはねられそうになります。
直前まで、車が近づいてくることに全く気付きませんでした。
それは、その自動車がハイブリッドカーで、ほとんど音がしなかったからです。
それまでの常識では、自動車が近づいてくるときには、エンジン音や、車輪のきしみなどの騒音で、それと気づいたものでした。
交通量の多い道路のわきに住んでいる方たちは、絶え間のない騒音に悩まされていました。
赤ちゃんは寝ないし、真夜中でも巨大トラックの轟音で目が覚めてしまう。
そこで、最近の環境にやさしいハイブリッドカーは、ほとんど音がしない。
ところが、予想もしない弊害が起こってきました。
静かすぎて気が付かない。
冒頭のエピソードのように、逆に、危険なことが増えてきました。
新しい発明品が、予想もつかない危険を生み出してしまうことがあります。
ノーベル賞を創設したノーベルは、ダイナマイトを創り出した人ですが、かれは、土木工事などを安全に行うために、これを作ったのでした。
ところが、実際には戦争に用いられてしまい、多くの人を殺してしまうことで利用されました。
スマホを作った人も、まさか、スマホを見ながら歩いて、プラットフォームから落下してしまう人が続出するとは、想像もしていなかったでしょう。
ハイブリッドカーも事情は同じ。
結局、走行中に、わざと騒音を出す装置を取り付けてみたり、車輪が音を出すようなものにしたり、自動車製造業者の方たちも、いろんな工夫をしています。
便利になることが、かえって不便を引き起こしてしまう例ですね。