How big lies can grow from telling small ones 「いかに小さな嘘をつくことから大きな嘘が生まれてくるか」
ちょっと珍しいタイトルですが、これはニューヨークタイムズのHealth の欄からピックアップした記事です。
People who tell small, self-serving lies are likely to progress to bigger falsehoods, and over time, the brain appears to adapt to the dishonesty, according to a new study.
科学的な記事らしく、読みやすい文になっています。
People の後のwho~lies までが主語になります。「ちょっとした、身勝手なうそをつく人たちは」
are likely to progress to bigger falsehoods, このfalsehoods は、the state of untrue またはlie の意味。つまり「うそ」です。
したがってここでは、「より大きな嘘をつくようになっていく傾向がある」」
and over time, 「そして時間がたつにつれて」
the brain appears to adapt to the dishonesty, adaptは、「順応する、なじむ」ですから、
「脳は、不正直さに慣れていくように思われる」
というのが、ある研究の結果として挙げられています。
ロンドン大学の准教授である、Tali Sharotさんは、こう言っています。
“They usually tell a story where they started small and got larger and larger, and then they suddenly found themselves committing quite severe acts.”
「彼らは通常、小さな嘘をつくことからはじめて、どんどん嘘が大きくなっていって、突然、自分たちが、とてもひどい行動をしていることに気付く」のだそうです。
A functional MRI scanning device monitored brain activity, with the researchers concentrating on the amygdala, an area associated with emotional response.
MRIというのは、「磁気共鳴映像法」といって、磁石の力で、頭の中の状態を写す装置です。
「MRIで脳の活動をモニターしてみる。研究者は特に扁桃状部(小脳葉など)、つまり感情的な反応に結びついた脳の場所に注目した」
Their findings suggested that the negative emotional signals initially associated with lying decrease as the brain becomes desensitized.
「彼らの発見が示しているのは、嘘をつくことに結びついているマイナスの感情のシグナルが、脳が嘘をつくことになじんでいくにつれて、減っていく、ということだ」
つまり、嘘をついた時に起こる脳の反応は、嘘をつけばつくほど減っていってしまう、ということです。
人間の感情を、こうした科学的な点から眺めていくのは非常に興味深い事ですし、ネィティブの書いた英文でも、理系の論理的な文章は読みやすいことがよくわかります。
英語を学ぶ方には、文型タイプの方が多いのですが、実際に英文を読み込んでいく場合には、むしろ、こうした人間の行動などを科学的に研究するというタイプの文章は、とても読みやすいと思います。
ぜひ、機会があったらチャレンジしてみてください。