中日新聞が3月23日、24日に国家公務員試験にTOFELが導入されることや、大学受験でTOEFLが検討されていると報道しました。
最近、TOEFLという英語の試験が注目されています。
TOEICと違い、この試験では、特に発信力に力点を置いています。
TOEICは、写真の情景を描写した4つの文から正しいものを選ぶ形式の出題をします。TOEFLでは、情景を英語で説明することを要求されます。
TOEICでは英文の記事など読んで、それに対する質疑応答に選択肢で答えます。
TOEFL受験者は英語のレクチャーを聞き、その要約や、反論をします。
TOEFLはアメリカ留学を希望する人たちが受験する試験で、以前は形式的にはTOEICに近い出題の仕方をしていました。たとえば、文法的に正しい表現を選んだり、長文を読ませて、内容にふさわしい選択肢を選ぶ、というものです。
9/11以降、TOEFLはそのスタイルを大きく変えて、先ほど説明したスピーキング、ライティング重視のものに生まれ変わりました。その原因としては、正確な受信力(理解力)を重んじる従来の形式に比べ、発信力には、多かれ少なかれ個人の考え方が反映されるものだからでしょう。
アメリカ政府のやり方に対して肯定的であれ、否定的であれ、文法問題の解答は変化しません。でも発言となると、ワインやシャンペンがいっぱい並んだ食卓に批判的なとらえ方をする人もいるでしょうし、そういうニュアンスが、いくつかの場所ではっきり出てくることが多くなります。
皮肉なことに、日本では以前の文法重視のTOEFLが、個々の大学生の英語単位修得の必要性を判断する目安として用いられているという情報もあります。
日本で英語を学んだ学生にとっては、自由な発言を求められるスタイルの試験よりも、文法重視の答えの決まっている問題のほうが取り組みやすいのかもしれません。たまたま大学側の要求する英語力判定にぴったりあったのが理由かもしれません。
いずれにしても、わたしたちにとっては、どちらかというと苦手とするタイプのTOEFLが受験戦線に登場してきたことは、ますます英語の学習を確固としたものにする必要があることを意味していると思います。