Knives Out

Knives Out は、スターウォーズ・シリーズの7作目、「最後のジェダイ」の監督、ライアン・ジョンソンが脚本と監督を担当した、スピーディなミステリー映画です。

主演は、007のダニエル・クレイグ、おなじく007の最新作「No Time To Kill」でクレイグと共演するアナ・デ・アルマス、キャプテン・アメリカのクリス・エヴァンス、「サウンド・オヴ・ミュージック」のクリストファー・プラマーが共演する豪華キャスト。

このあいだ、たまたま出かけたら、映画館で上映予定が、コロナのせいで食い違っており、見たいと思っていたこの作品が上映されていたため、食事をした後、見ることにしました。

このところ、運よく、後悔しない映画に遭遇することが続いているのですが、これもとてもよかった。

ミステリー作品なので、あまり詳しくは書けないのですが、もしチャンスがあれば、皆さんもぜひご覧になることをお薦めします。

クリストファー・プラマー演じるハーラン・スロンビーは、大作家で、出す作品、出す作品が大ヒット。映像化の依頼や、テレビ化の話が持ち込まれるのですが、はーらんは受ける気なし。

スロンビー作品の出版を一手に引き受ける次男は、父親にこうした話を受けるように言うのですが、相手は全く聞く耳なし。

スロンビーの孫、ランサム・トライズデールは、厳しい長女の息子で、どうしようもない道楽者。

亡くなった長男の嫁、ジョニは娘の学費を、ハーランから二重取り。

彼等だけではなく、ハーランの誕生日に集まった家族一同、だれをとっても父親(祖父)の財産狙いのとんでもない家族。

こうした家族が集まっての、誕生日パーティの夜、看護婦の、移民出身のマルタ・カブレラと過ごしていたハーランは、マルタの帰宅後、首を掻き切られた状態で亡くなっているのが発見される。

警察と、謎の依頼人から頼まれた探偵、ブノア・フラン(ダニエル・クレイグ)が事情長所を取るところから、物語は始まります。

冒頭のそれぞれのキャラクターが、一人一人印象的で、たてつづけに紹介されても、記憶に残ります。

まるで、横溝正史の犬神家の一族を思わせるような、家庭内悲劇?

でも、アナ・デ・アルマス演じる、マルタ・カプレラという看護婦は、嘘をつくと、嘔吐してしまう、という異常な特徴を与えられており、彼女が物語のキィ・パースンといえます。

このところ、新型コロナのせいもあり、ひさびさに読めなくて積読になっていたミステリィを読むチャンスが生まれたのですが、そうした名作と並ぶ、おもしろさでした。

すごいのは、後になって考えると、全ての伏線が回収される、見事なミステリなのですが、途中経過は、まるで、コメディのような、ドタバタと、人の心の浅ましさを示す、エピソードが立て続けに打ち出されます。

シナリオも監督が書いており、キャストの人たちが、ほとんど口をそろえていっているのは、通常、映画を一本取ると、シナリオは書き直しに次ぐ書き直しで、どんどん初版、2版、3版・・となっていくのに、この作品では、脚本は、まったくその後手を付けられることがなかった、初版のままだった、ということです。

つまり、シナリオの段階で、監督の頭の中には、完全に一本の映画としての作品ができていて、俳優たちは、いわば、その監督の考えに合わせて演じた、ということです。

面白いのは、結構、さまざまな映画でお目にかかる俳優陣が出演しているのですが、いつもの役とは全く違ったイメージの役を演じていること。

たとえば、キャプテン・アメリカを演じるクリス・エヴァンズが、ここでは、差別主義者の、鼻持ちならない遊び人。

ダニエル・クレイグも、探偵とは名ばかりの、おバカっぽいカッコつけのおじさん。

まあ、イメージ通りなのは、クリストファー・プラマーだけ、と言っても過言ではない。

全体としては、非常にまとまっている良い映画だと思いました。

もし間に合えば、映画館に行ってください。

DVDになったら、ぜひ手にとって、実際にじっくりご覧になることをお薦めします。

実際、よくできていて、どこも見逃せません。

ちょっと、流れの中で、イヤーな感じになるシーンや、うるさいシーンもあります。

でも、無駄なシーンではないので、ここもぜひ飛ばさずにご覧になるとよいです。

へえ、こんな風におわらせるのか!と思わせられます。

ちょっとおすすめの映画でした。

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