2016年度第1回英検1級での難解ポイント(1)

今回の英検1級長文問題で、わかりにくい点を解説していきます。

問題冊子p.7、Marriage and Social Class という問題の、5行目に次のような文があります。

Schneider worries that anything that makes disadvantaged people less likely to tie the knot also makes them less able to reap the social and economic benefits marriage has been shown to provide, and that they will face ever-increasing obstacles in their struggle to break the cycle of poverty.

かなり長い文ですが、すこしずつ見ていきます。

Schneider worries that までは良いでしょう。「シュナイダー教授は以下のことを不安に思っている」

anything that makes disadvantaged people less likely to tie the knot この後に also makes と動詞が続いているので、文の主語にあたる部分はここまでだ、と判断できます。

anything は「~ならどんなものでも」という意味になります。つづくthatは、そのあとmakes が出てくるので、関係代名詞。訳文としては、「~するanything 」ということになります。

make(v) + disadvantaged people (o) + less likely to tie the knot (c) と考えるとよいでしょう。

つまり、「利益を受けない人々をますます結婚しなくさせる」ということ。

これが主語です。
つづいて、also makes them less able to reap..

also があって、that はないので、これが本動詞となります。

これも同様、makes(v) + them(o)=disadvantaged people + less able to reap …(c)

「また、かれら(利益を受けない人たち)が(利益を)受けられないようにする」

ではreap の後を見てみます。

the social and economic benefits / marriage has been shown to provide, 

/の部分にwhich なりthatなりの関係詞を入れるとわかりやすくなります。「結婚が今まで提供すると示されていた、社会的、経済的なメリット」

そこで、この文の前半をまとめると、
「シュナイダー教授は、次のことを心配している。つまり、恵まれない人々を結婚させなくしているモノは、また結婚が与えてくれると言われていた社会的、経済的なメリットも彼らには手に入りにくくさせるということ、そして、」

そして、のあとがand that they will face ever-increasing obstacles in their struggle to break the cycle of poverty.

, and that …となっているので、「もう一つ、教授の心配していることは」といういみで、
they = disadvantaged people ですから、「こうした恵まれない人たちは」
in their struggle to break the cycle of poverty, 彼らの、貧困の連鎖から逃れる苦労の中で」
ever-increasing「ますます肥大化する」obstacles[障害物]

「・・そして、こうした恵まれない人々は、貧困の連鎖から抜け出す苦労の中で、ますます大きくなる障害に直面する」

という流れになります。

英検1級では、正解にたどり着くためには、文型を正確に理解して、文全体の流れをきちんと押さえておく必要があります。

そうした意味では、面倒に思われるかもしれませんが、文構造をしっかりと考えて、意味内容を取ることを、合格へのステップの一つとして、とらえる必要があります。

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