「わたしはタヌキ」はただしいか?

うどん屋に行って、「わたしはタヌキ」はあるか?

実はこれ、英作文の参考書からとったものです。

旺文社の出している、「よくわかる英作文」(水谷信子・著)の出だしの部分に、このエピソードが紹介されています。

さて、英語で「わたしはタヌキ」が通じるのか?

もちろん、状況そのものがとても限られていて、「たぬきうどん」や「きつねうどん」というものがあって、それに対して、注文する際に「わたしはたぬき」「ぼくはきつね」というわけです。

まあ、その状況で、そのセリフなら通じるだろう、という表現ですよね。

では、これを英作文ではなんというか。

まあ、「たぬきうどん」を何というかは置いておいて。

I am Tanuki. が通じるのか?

水谷先生は、当然のことながら、I will have Tanuki. なり、I eat Tanuki. なりでないと、いいたいことはつうじない、と書かれています。

たしかに、アメリカに行ってうどん屋さんへ行き、タヌキうどんを注文すること自体、英会話なり、英作文なりの状況としては考えにくいですね。

ところが、昭和47年3月に出版された、数研出版の「チャート式英作文」(鈴木進・著)では、74ページに、
(飲食店で、注文したものがテーブルに来た時)「コーラ、僕だよ」の英訳として、
I am the Coke.があげられています。

そこで、イギリス人の講師に尋ねてみたところ、
That is strange, but we use it. ということでありました。

ちょっとびっくり。

残念ながら、現在では手に入りにくいこの「チャート式英作文」ですが、あちらこちら見てみると、けっこうびっくりする表現が載っていて面白いんです。

この間から、すこしまえの英語参考書を見ているのですが、へえ、っと思わせる表現が結構あります。

“I’ll show you my etchings.”なんてのもあって、実は30年代〈1930年代ですよ!〉に流行った言い方で、女性を自分の寝室に連れ込む定番の表現だったらしい。

でも”I’ll show you my painting.”にはそういう感じはない、と書いてあります。実際にそういう表現を使って、怪しからん事をしたやつがいたのかな。

もっとも受験用の参考書に、この例文を載せるのもなんなんだろう、と思わないでもないですが。

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