「まだらの紐」から学ぶ英語
このところ、シャーロック・ホームズの冒険談からの引用ですが、今回も「まだらの紐」からの会話シーンをとりあげます。
依頼人のストーナー嬢の話で、彼女の双子の姉がなくなってしまったところ。
姉の亡くなった寝室には、異常はなく、壁も頑丈だし、床も点検されたけれどもおかしなところはなかった。
さらに姉の遺体からは、暴力などを振るわれた後も見当たらなかった。
ホームズが、たずねます。
“How about poison?”
“The doctors examined her for it, but without success.”
“What do you think that this unfortunate lady died of, then?”
“It is my belief that she died of pure fear and nervous shock, though what it was which frightened her I cannot imagine.”
“Were there gipsies in the plantation at the time?”
“Yes, there are nearly always there.”
「毒薬はどうでしたか?」
「お医者さんたちが、そうなのではないかとその痕跡を探したのですが、見つかりませんでした」
「この不幸な女性が亡くなったのは、何が原因だと思われますか?」
「私が思うに、彼女は、純粋に恐怖のためにショックで亡くなったのだと思います。ただ、何が彼女をそこまで怖がらせたのかは想像できないのですが」
「ジプシーたちは、そのとき、植込みのところにいたのですか」
「ええ、彼らはほとんどいつもそのあたりにいますから」
注目していただきたいのは、まず2行目の The doctors examined her for it の for で、これは「~をもとめて」の意味になる for です。
これは、I am looking for the book.や I asked my mother for money. などの for と同じですね。
こうしたことも、実際に英語を使っている人たち向けに書かれたベストセラーならでは、の表現だと言えます。