現在、愛読している小説がこれ。
ちょうどNHKが同じ人物を題材にした「平清盛」を放映しており、冒頭の父親とのエピソードが、自分の父親の思い出に結びつく部分があるからでもあります。
はじめて父親から買ってもらった小説が「新・平家」でした。
これは、車に乗っている時のちょっとした会話がきっかけになりました。
「源氏物語」と「平家物語」との違いを聞かされていたので、読んでみたいという話になり、ある日、父が買ってくれたのが、当時出されていた講談社の吉川英治全集の6巻本でした。
その当時は、あまりにも長くて、しかも堅牢な造りの本であるせいもあってか、自分には重すぎました。
続々登場する人物も、階級が変わるたびに呼び名も変わってしまったりして、全体の流れがよくわからなくなり、もったいないことでしたが、途中で読むのをやめてしまいました。
最近、NHKのこともあり、本棚のすみにほこりをかぶっていた箱入りの全6巻が気になり始めました。
おそらく、清盛の父、忠盛が、白河上皇の血の流れる子どもを自分の子として引き取って、その後、清盛を育てていくというテレビのドラマの話が、現在の自分のなかでは、理解できる世界になりつつあったということでしょう。
手に取ってみると、たしかに本は厚く、重いのですが、それ以上に自分を引き付ける要素が沢山あって、いまは2巻目を読んでいるところです。
1巻目はどちらかというと平家中心、清盛中心で話が進んできましたが、2巻になると、源氏の子供たちの話が中心となり、はやくもこの物語のテーマが現れてきています。
長く続く戦乱の世を治めていく平家と、ある意味でその戦乱をもう一度起こして源氏を復活させようとする人たちのせめぎ合いであると同時に、その犠牲となっていく大衆の物語でもあります。おすすめです。