9月13日の報道ですから、旧聞に属することかもしれません。
ジャパン・タイムズが、マザー・テレサさんが、ローマ法王により、キリスト教の聖人の1人に加えられたことを報じました。
マザー・テレサさんといえば、世界的に有名な、キリスト教修道女であり、深刻な病や、貧困にあえぐ人たちに、助けの手を差し伸べた、まさに[聖人]の名に恥じない人物です。ノーベル平和賞も取っていらっしゃいます。
Canonization honors a lifetime of working with ‘the poorest of the poor’
Canonizationというのが、聖人として扱われること、「列聖の列に加えられること」であります。
英英辞典を引くと、(usually passive) (of the Pope) to state officially that somebody is now a saint とあります。つまり、聖人に任じられる、というのは、あくまでも法王によって認定されることなので、能動態は普通ありえません。
ですから、法王が「正式に、聖人であると発表する」というのが、canonizeの意味ということなんです。
というわけで、
Mother Teresa has long been considered a saint by many people around the world. On Sunday morning, Pope Francis officially bestowed that title at her canonization ceremony in St. Peter’s Square.
「マザー・テレサは、世界の多くの人々により、長らく聖人だと考えられてきた。日曜日(9月11日)の朝、フランシス法王が、サンピエトロ広場での彼女の列聖式典において、公式に聖人の称号を与えた」
「列聖」というのは、「カトリック教会で、死後、福者(同教会で、死後、その聖徳を認められたものに教会が送る尊称、またそれを受けた人〉に列せられた信徒が、さらに教皇の宣言により、聖人として公式に認められること」だそうです。(デジタル大辞泉による)
ここには述べられていませんが、列聖として認証されるには2回の「奇蹟」を起こしていることと、その証明が必要だ、とも聞いたことがあります。
マザー・テレサさんも、2003年に、腫瘍の方の前で祈ったことで、その方の病が癒えた、という奇蹟を起こしているそうです。
もっとも、この「奇蹟」に対しては、異論を持つ人もいるようで、腫瘍を直してもらった女性は、実は腫瘍ではなく、べつの症状を呈していたのだ、という医師もいるようです。
いずれにせよ、死後19年にして列聖認定をされるということは、異例に早い処遇のようで、マザー・テレサさんの故郷では、盛大なお祝いを予定しているとのことです。
この記事は、28日の「タイムを読む」クラスで扱いました。通常、タイム誌から記事をピックアップするのですが、今回は特別に、ジャパンタイムズの記事を使用しました。
「タイムを読む」クラスは、隔週水曜日の午後1時―2時30分、エブリ・イングリッシュ・サービスで実施しています。
次回、10月12日には「ポケモンGo」の記事を取り上げます。