誰がイギリス王室を必要としているか?⑤
タイムのイギリス王室に関する記事の最後の部分です。
7段落には、こう書かれています。
The discussion about the value of the monarchy misses the most important point of all; the damage it does to our democracy.
value = 価値
monarchy = 君主制
「君主制の価値についてのディスカッションは、最も重要なポイントに触れていない。それは、君主制が、わたしたちの民主主義に与えるダメージだ」
The Crown is the centerpiece of Britain’s rotten constitution, giving us a head of state who lacks independence or purpose, who can do only what she’s told by our Prime Minister.
The Crown = 小文字なら『王冠』。ここは、大文字なので、『国王』
rotten = 腐食した、腐敗した、ふるびた
constitution = 憲法、国体
「国王は、古びたイギリスの体制の中心核であり、わたしたちに、独立性や目的を持たない、総理大臣の言うことに従うだけの『国主』を与えている」
かなりシニカル(皮肉っぽい)言い方になっています。
The costs of monarchy are considerable, the gains fleeting,mythical or the stuff of PR fantasies.
considerable = かなりの金額
the gains = 得られるもの。このあとに are が省略されていると考えるとわかりやすい。
fleeting = はかない
mythical = 神話的な、想像上の
stuff = ものごと。何やかや。
「王制維持の費用はかなりなものだ。それに対して得られるものと言えば、はかない、想像上の、あるいは、PRの生み出した幻影にすぎない」
そして、最後の文はこうなります。
イギリスはいまだ共和国ではないのかもしれないが、間違いなく、もうすでに、イギリスは王党派の国ではないはずなのだ。