前回、ピラミッドを作った労働者たちの状況、という文を取り上げました。
今回は、言語の多様性というエッセイを見ていきましょう。
これも英検1級の2、どちらかというと取りつきやすい英文です。
The human race exhibits an incredible degree of linguistic diversity, with more than 7500 documented languages in existence today.
exhibit = 示す よくエキジビジョンなどと用いられることもある表現です。
incredible = 信じられない クレジットカードのcredit は、これからin を取ったもの。
documented = 記録された ドキュメントはもともと、記録、書類といういみです。
「人類は、信じられないほどの多様な言語を持っていて、今日だけでも7500以上もの言語が存在する」
それでも、研究者たちは、どうしてこの言語の分布が、バランスよくないのだろう、と考えてきました。
つまりある地方には、非常におおくの言語が存在するのに、別の地域では、あまり数多くの言語がない、ということです。
言語学者たちは、この現状を、次のように考えました。つまり、孤立と人類の生存リスクです。
研究者のHua さんは、孤立理論は、自分のデータとあわない、という結論に達しました。
Hua writes then rivers “seem to act more as an ecological resource than a barrier to interaction.”
いろいろ調べてみて、Huaさんは、こう書きました。
つまり「川は相互活動の障壁というよりも、生物生存のための資源として機能しているようだ」ということですね。
生存リスクの仮説は、天候と資源の入手可能さは、言語多様性の基本的な決定をする役割を持っている、というものです。
つまり、赤道近くでは、あたたかいため、あまり多民族が交流しなくても、生きていける。
ところが、寒冷地であれば、寒さのため、近隣の他部族との協力が、必須になる。
したがって、赤道近くでは、相互交流はそれほど重要ではなく、民族間コミュニケーションも最低限でよいのに対し、寒い地域では、それがないと、命にかかわる事態になってしまう。
このあたりの考察を読んでいくと、冒頭の、「ある地区では、言語多様性が豊かであるのに対して、別の地域ではそうした傾向が見えない」という謎が解決するようです。
これは、どちらかというと、言語に関するお話なので、英検を受けようという方にとっては、取りつきやすい題材と言えるかもしれません。
いずれにせよ、こうした知的関心をかきたてるようなエッセイが、多く出題内容として登場するのが英検です。
面白いと思いませんか?
たまたま、今回は1級からの問題をピックアップしましたが、準1、2級などの級でも、非常に好奇心をかきたてられるトピックがいっぱい出てきます。
ぜひ、こんな形の英語の勉強にも取り組んでみましょう!
なお、2次試験対策のセミナーも開催中です。
興味をお持ちの方はぜひ、こちらもご検討ください!!