電子辞書は時代遅れ?

最近の高校生と接していると、電子辞書も持っていない生徒さんが意外に多い。

というより、当然のことながら多い。

単語が分からないと何を引くのか、というと、インターネットで調べるらしい。

発音記号とか、文法的に、その構文に使われるか、というようなことは、あまり重要ではない。

むしろ、とりあえず【意味】が解ることが優先するみたい。

実際、辞典が「読めない」人が多いようです。

電子辞書自体、もともと紙の辞書が電子化されたものにすぎません。

情報はすべて、紙の辞書からの引き写しで、それに、検索機能がついたり、音が出るようになったりしてきたものです。

英和辞典を電子辞書で開くと、単語が出ていて、その後に発音記号、そして品詞が出て、そのあと用法が書かれている、というものが多い。

でも、考えてみると、発音記号を読むのではなく、実際に辞書が音声を出してくれるので、発音記号自体の有用性はなくなりつつあります。

品詞も、すぐに例文に飛べるので、まあ名詞か、動詞か、くらいわかれば、それほど苦労しません。

あとは例文。

これは、電子辞書自体がいろんな見出し語から集めてくれるので、それほど困ったことにはなりません。

たぶん、授業なり、レッスンなりで、さしあたり必要なことは単語の【和訳】で、それさえ分かれば、そのあとは、なんとか単語をくっつければ、意味は取れる、というところなのでしょうか。

もちろん、地道に頑張っている英語学習者の方は多いでしょうから、これでまとめてしまうつもりはありませんが。

前回のコラムでも触れましたが、総合的、という状況からどんどん、情報が孤立して、ひとつひとつの単語が、独立して扱われるようになっているようです。

そのためか、英語を読む人たちの中でも、割と断片的に情報を理解している人が多い。

言語としては、日本語ほどの馴染みもなく、英語が、本国で過ごした人たちほどに自由ではない領域にいる学生たちが多いように思われます。

ただ、ことばの学習で必要な深みが、余り得られていないように感じられるのは、私だけなのでしょうか。

 

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