一時期から、英文法の参考書という分野が、大きく変わってしまったように思います。
以前、桐山書店から出ていたのではないか、と思うのですが、即戦ゼミという参考書のシリーズがありました。
これは、英語の試験に出された英文をリストアップして、それに解説を付けていくというものでした。
それまで、こうした形のコンパクトなものがなかったせいか、高校で新しく採用される参考書が、こうしたタイプのモノ、一色になったことがあります。
試験に出る英文が、即、実戦的に書かれており、この文の意味と、文法的な解説がのっているスタイルは、実用的でした。
ただ、これは、仮定法、とか、分詞といった、文法項目に関しては、余り総合的に記述されておらず、一通り、こうした英文法、という構造を学んだ人たちにとってはとても重宝な参考書でしたが、「いわゆる文法」を身につけるためには、あまり有効なものではなかったかもしれません。
今はどうか、というと、こうした例文集的参考書と、昔からある旧来の文法書が、それぞれに出されている状態のようです。
ただ、旧来のモノの勢いが弱まり、試験にそのまま出てくる文章が多く掲載されている例文集的参考書が多くみられるようです。
自分のやってきた学習が、唯一のモノだとか、思っているわけではありません。
でも、教える立場に立っていると、旧来の総合的な英文法書もあると、理解が深まるのだろう、と考えてしまいます。
もちろん、旧来の総合的文法書が滅びてしまったわけではなく、書店に並んでいる中では、割合が減ってしまった、ということにすぎません。
この間、英語を教えている人たちと顔を合わす機会があり、特にTOEICを中心に指導されていらっしゃる方たちから、少しお話を伺ったのですが、ビジネスマンの方たちにとっては、何冊も英語の参考書を買うわけにもいかず、つい、学生時代になじんだ例文主体の参考書を手に取られることが多いようです。
そうなると、文法に出てくる必須用語である、名詞、代名詞、形容詞、副詞、前置詞、。。という言葉とか、その働き、というものが、いまひとつよくわからないという方たちもいらっしゃいます。
この必須用語が共通理解として存在していないと、教師としては、何をどう説明すればいいのか、戸惑ってしまうこともあるほどです。
これから、すこしずつ、参考書についても触れていきたいと考えています。
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