松本亨英作全集がなぜすばらしいか①

この欄で、何回か、松本亨先生の英作全集についておはなししています。

何が素晴らしいのか、を、具体的な例を挙げてご紹介したいと思います。

エブリでは、松本先生の著書をはじめ、わたしどもが素晴らしいと考える本をテキストとして使用しています。

参考にしていただければ幸いです。

まずはこの例はいかがでしょうか。

「私の家族は、父母と兄一人、姉一人、それに妹一人の計六人です」

そして松本先生の生徒さんが書いた英文例。

My family is altogether six, my parents, one elder brother, one elder sister and one younger sister.

この後、先生の添削指導。

全文引用してしまうと長くなるので、一部抜粋します。

「My family is six. は意味を成しません。無理に意味を付ければ「家族は六歳です」になってしまいます。ここでは「六人で構成されている」と言わなければなりません。「私」を忘れては困ります。elder は、主にイギリスで使われますが、本書ではアメリカ式のolder にします」

というわけで、できあがった模範解答例は次の通りです。

Our family consists of six people:  my parents, two boys and two girls.

こうした、すっきりとした文に書きなおすのが、松本先生の素晴らしさと言えます。

次の問題です。

「なるべく早くお返事ください」

まずは、生徒さんの例。

Please give me your letters as soon as you can.

添削内容。

「お手紙」は、まだ書かれていないものなので、your letter とは言えません。受け取って初めて、Thank you very much for your letter. と言えます。ここでは、a letter です。また、いまは電子メールの時代ですから、メールに置き換えてもよいです。もっと簡単な言い回しがあります。

添削例。

Write me very soon.

次の例。

「梅雨明けは、セミの第一声から始まります」

作文例。

The sign of closing wet season starts with singing of cicada.

添削内容。

「梅雨」は the rainy season. 「明け」は the (an) end.  セミは cicada ですが、冠詞をつけて単数か、複数に。

添削例。

When the first cicada sings, the rainy season ends.

ここでは、わずか3つの例しか、取り上げることができませんでしたが、具体的に添削例を見ていただくと、いかにすっきりとした文に生まれ変わっているかがよくわかると思います。

特に、『うちの家族は6人家族』というような題材は、以前は、あまり出題されることがなかった時代があります。でも、英作全集がでて、普及するにつれ、英作文ネタとして、使われる頻度が上がってきたようです。

添削内容の中に、「電子メールの時代」といったような、最新の事情をあらわす表現が出てきていますが、これは、松本亨先生のオリジナルからではなく、改訂版から例を挙げているためです。

もともと、英友社という出版社から、全10巻で出版された全集ですが、その後、有志の方たちによる改訂が進みました。より時代にふさわしい形になったと言えます。

現在は、株式会社パイインターナショナルという出版社から出されています。

もちろん、英作文の本なので、実際に書いていただくことが望ましいのですが、説明だけでも目を通しておくと、非常に役に立つことが多いと思います。

私自身も、英作全集は全巻をそろえていて、必要に応じて、ページをめくってみて、あらためて、その説明の的確さに驚かされています。

英作全集に関しては、もう少しお話を続けたいと考えています。

 

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