たまたま、今日、用事があって、本屋に出かけました。
用事というのは、英作文の参考書さがしです。
実は、高校でも講師として授業をさせていただいているので、その関係で、毎週、英作文のクラスを担当しています。
当然、文法項目別であったり、表現内容別であったり、英作文の問題集や、参考書の類が必要になります。
そこで、今日も、書店で、英語参考書のコーナーに出かけたのですが、奇妙な事に、いつも見かける参考書の類があまりないのです。
いつもよりかなり少なくなっている印象を受けました。
そんなはずはない、と思って、いろんな場所に目を向けたのですが、余り見つかりません。
花本金吾先生という方が、早稲田大学の名誉教授をされていて、特に英作文関係の著作が、数冊、目につくことが多かったように思うのですが、今日は全く見当たりません。
花本金吾というお名前自体が、見当たらないんです。
花本先生は、通訳ガイド試験の参考書や、受験生用の単語集、同じく受験生用の英作文問題集、参考書をよく書かれていた方です。
単語帳は、それでも見やすい所にあります。
通訳ガイドの参考書は、何年か前に、見当たらなくなってしまっていました。
今回は、最後の英作文関係が見当たらない。
もしかしたら・・
と、思い当たることが一つ。
花本先生も、かなりのお年のはずで、旺文社の和英問題精講という参考書をはじめ、基礎英作文問題精講など出されているはず。
つい数か月まえまでは、問題精講のシリーズも、和英の黄色い装丁の本や、基礎の赤い色の本、それ以外にもブルーの英作文参考書などが並んでいたのですが、赤い、基礎英作文問題精講は、同タイトルの、別の本になっています。花本先生の時には、もともと書かれた原仙作先生のあとをついでの改訂版でしたが、いまは、ドラゴン桜でも名前の知られた、ある先生の三訂版になっています。
確かに作文も、ここ数年、自由英作文の占める割合が急速に増えてきました。
原仙作先生の時にはほとんど必要なかった自由英作文も、改訂版では、4分の1くらいの割合で、書き方が示されるようになりました。
今回の三訂版では、半分近いウェートで、自由英作文のアドバイスと、具体例が出てきています。
こういう点を見ると、おそらく、編集の方向性の変化のために、英作文参考書が、変わる流れなのだな、と思わせます。
でも、英語参考書でも、かなりの名作が姿を消してしまうのは、本当に残念です。
私が、ずいぶん参考にさせていただいた、松本亨先生の英作全集全10巻や、そのほかの英作文参考書も、すっかり書店で見かけることも少なくなってしまい、大変残念に思っていました。
旺文社の先にふれた2冊の問題精講も、赤い1冊は、すでに改訂され、黄色い版は、多分、近いうちに改訂版が登場するのだろう、と思うと、もうなかなか手に入りにくくなってしまっているであろう、花本先生の版が姿を消しつつあるのは、やはりさみしいです。