松本亨先生との出会い

今までに何回か書いているので、すでにお読みになられた方もいらっしゃるかもしれません。

私は中学に入学した時、英語はなんとかできるようにしたいと考えていました。

そこで、実際に授業が始まる前に、NHKのラジオテキストを買いました。

初心者用の「基礎英語」というテキストです。

これは、まさに中学1年生用のテキストで、毎日、発音練習に明け暮れました。

とにかく、動物や果物、毎日の生活に出て来る物の名前を発音する、そんなひと月でした。

だんだん飽きてきてしまって、毎日ラジオ放送は聞いていたものの、そこまで集中できずにいました。

だから、英語は、結局、あまり好きな科目にはなりませんでした。

ただ、発音だけは、ちょっと興味を持ち、聞いてはいました。

また、後から付けていってみる、というのもやってはいました。

2年生になると、「続基礎英語」という番組があり、それもきき続けていました。

1年の時の基礎英語とは一味違って、文を繰り返し口にする、というプログラムでした。

こちらは、すくなくとも、毎日の生活の中で、基本的な英文が、繰り返しでてくるものでした。

How often do you study English?

I study English four times a week.

といった、表現が繰り返し、読まれて、それをこちらも繰り返す、というものです。

実は、このレッスンの方法は、私のエブリ・イングリッシュ・サービスでの授業方にも結び付いています。

このときの安田一郎先生の書かれた、「英語の文型と文法」という本は、こうした文型を、さまざまな例文を使って覚え込むという方法を使った本で、とても役に立ちました。

おもしろいか?と言われると、まあ単調な練習ですが、それでもやる気にはなりました。

そんなある日、つい「続基礎英語」をきいていて、たまたま眠り込んでしまい、ふと、目が覚めると、

ネィティブの人のような、太い声で、安定した発音の英語が聞こえてきました。

どう聞いても、ネイティブの方の発音だな、と思いました。

ところが、その英語の後、こなれた日本語が同じ声で、言われました。

いままでの、パターン重視のスタイルと違って、ちょっとした解説があったり、ジョークのようなお話があったりで、いつの間にやら、正座をするように、その放送を聞いていました。

その講師の先生は、松本亨先生。

初めて聞いた時に、重厚な英語の音声にうっとりして、本当に聞きほれてしまいました。

翌日から、録音する番組を、松本先生の「英語会話」という番組に切り替えました。

いままでの、パターンにはまった、練習用のスタイルの番組とは一味違って、「生きている」という感じの英語でした。

テキストの後ろには、先生の書かれた本の紹介もついていて、「書く英語」といった本が出されていて、とりあえず買ってみたりしました。

先生のテキストでは、毎月、最終日にリスニングの簡単なクイズが出されていて、毎月、往復はがきで応募すると、間違えたところが添削してもらえる。

放送最終日が待ち遠しくて、毎月、往復はがきを用意して、先生のセリフを書き取りました。

初めのころは、なかなか正しく聞き取ることはできませんでしたが、やがて、完全解答できるようになったことがありました。

その後、続けて、満点を取ることもできるようになりました。

ある時、たまたま立ち寄った本屋さんで、松本亨という作者名の本が、何冊もあるのを見つけて、こうした本も読みたいな、と思うようになりました。

「書く英語」(初級編)という本が、割と取りつきやすそうだったので、手に取ってみました。

文法的な説明が、今までに見たことのないような練習形式で書かれていました。

少し高かったのですが、それを買ってみることにしました。

初めて、松本先生の本を読んでみました。

その後、松本先生が、生徒さん向けに英語の勉強会を主催されていることも知って、この会にも参加しようと思います。

こうした経緯から、松本先生の会に参加するようになり、高校2年のころに、先生が、怪のスタッフの方たちといっしょに教えられるセミナーに出席して、大きく人生が変わっていきます。

この後のお話は、また機会のある時にお話しさせていただきます。

 

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