英検1級の長文(英問英答)のふたつめ、Arguing about Prohibition は禁酒法(修正第18条)に関する出題で、非常に興味深い内容ですが、同時にむずかしいポイントもあります。
代表的な難解な部分は、一番最後に登場します。
Okrent argues that though many people who voted for Prohibition were drinkers themselves, they voted for it as a means to an end that was not what it appeared to be on the surface.
例によって、冒頭 Okrent argues that は「オークランド氏は、次のように論じている」
though につづく、many people who voted for Prohibition までが主語。「禁酒法支持に票を投じた多くの人々は」
このあとのwere drinkers themselves, は「(禁酒法に賛成した人たちは)自分たち自身が飲酒している人たちだった」
そしてこの節の冒頭にthoughがあるので、「オークランド氏の主張は、禁酒法実施に賛成票を投じた人たちの多くは、自分たちも飲酒している人たちであったけれども、」
後半、they voted for it as..のas 以下が重要部分。
asは「~として」a means to an end (このendは目的、という意味)「目的のための手段」
end の後ろのthat が、関係代名詞。したがって、an end was not what it appeared to be
ここでのwhat は「~するもの・こと」のwhatなので、what it appeared to be で、「それ(=an end)がそういう風に見えているもの」の意味。
on the surface は、「表面上」なので、
「彼らは、表面的にそのように見えているものではない目的のための手段として、賛成票を投じたのだ」
ということになります。
つまり、悪法との評判の高い、[禁酒法]は、プロテスタント的な「飲酒はよくない」という倫理観の押し付けではなく、実際には、宗教的な考え方とはちがう、別の理由があって、それを実現するための方策として、[禁酒法]が生み出された、ということになります。
というわけで、落ち着いて読み解いていくと、1級には、表向きにはあまり知られていない事実が載っていたりするので面白いです。
ただ、そのメッセージをくみ取るのに、英語の学力がかなり必要といういやらしい攻勢になっているのが、残念!