「腑に落ちない」「うかつに判断できない」をどう英作する?
シャーロック・ホームズの物語は、上品な英文で書かれており、しかも、表現がとても豊かなので、英作文にもとても参考になります。
「まだらの紐」のお話の中で、依頼人のストーナー嬢が、さらに説明を続けます。
“I do now know whether the spotted handkerchiefs which so many of them wear over their heads might have suggested the strange adjective which she used.”
「わたしには、(姉のことばが)多くの人たちが頭にかぶる水玉のハンカチのことなのかもしれない。よくわからないのですが。ちょっと変な形容詞の使い方ですけれど」
Holmes shook his head like a man who is far from being satisfied.
ホームズは、首を横に振った。まるで、とても納得できないと思っているように。
ここの far from being satisfied は日常的にも様々な使い方が考えられます。
たとえば、He was pale like a man who is far from being healthy.
まるで、健康からほど遠い人物のように、彼は真っ青だった。
さて、お話に戻ります。
There are very deep waters, ” said he; “pray go on with your narrative.”
ここのdeep watersを調べてみました。(齋藤秀三郎「熟語本位 英和中辞典」)
be in hot water (苦境に陥る)
be in deep waters (窮境に陥る)
be in smooth water (困難(など)を脱した)
このあたりから考えるに、「これは困った状況ですね」くらいの感じだと思われます。
そして、prayについては、以前、別のコラムで書きました。pleaseのような意味でしたから、
「話を続けてください」というような状況のようです。
というわけで、さらにストーナー嬢のお話が続きます。