本書は、エブリの暗誦用教材として利用させていただいている本です。
現在では、シリーズが全6巻となり、標準編はその3冊目にあたりますが、もともとはこれが最初に出されたものです。
構成は、冒頭50ページに、国弘正雄さんの「音読のすすめ」と千田潤一さんの「音読の方法」がまとめられています。国弘さんの「只管朗読」(ただひたすら朗読)というのは「英語の話し方」という著書の中で述べられたものでした。
音読用の独立した教材を出版するにあたって、音読の効用と方法についてまとめたのは、あらためて音読しようという人たちにとって、参考になると言えるでしょう。
次の50ページが、音読実践編で、中学3年用の教科書が編集されています。
さいごの30ページ程度が音読の記録をとる部分で、自学自習の人にとっては、バロメーターになり、励ましになるページでしょう。
エブリでは、毎レッスンごとに、この音読部分を最初から読んでいただいて、現在のところまで暗誦する方法をとっています。
中学3年生用の教科書というのは、うまい選択です。
仮定法を除いた基礎英文法が、だいたい出そろって、長い文を読んでいくためには欠かせない、文の構造がとりやすくなるからです。
また、日常会話の80%ほどをしめるという基本的な表現がマスターできるという効用もあるからです。
実際、エブリにこの教材を導入して、音読指導をしてきて、本当によかったと思うことがいくつもあります。
高校生には、内容がやさしすぎるのでは、とも考えましたが、このレベルの方が、きっちりと暗記していくには向いているようです。
わたしたちは、中学、高校で勉強している間に、英文をたくさん覚えたはずですが、ほとんどを忘れてしまいました。
エブリでは、毎回、レッスンごとに、マスターした英文をくりかえすので、過去のものを忘れてしまうことがありません。
今までに暗記した英文をすべて、思い出すことができれば、「せっかく覚えたのに!」と悔しい気持ちになることもないはずです。