今日、取り上げるのは、表題の通り、The General Basic English Dictionary です。
Basic English というのは、リチャーズ・オグデンが提唱した、英語の膨大な単語のうち、わずか850語を、エッセンスとして抽出し、これで、日常的なコミュニケーションの全てを行おう、という画期的な試みです。
これは、ある意味でとても魅力的な提案です。
英単語は、どれだけ覚えても限りがないほど、数多くあります。
それを、あっさり、850語で全て表現してしまおう、というのですから。
そして、それを実践したのが、「英語を書くための辞書」として出版されている、和英辞典と、このThe General Basic English Dictionary なのです。
もちろん、この辞典は、英英辞典なのですが、その説明が、850語のBasic English だけでなされているわけです。
たとえば、朴大統領の弾劾(だんがい)で有名な impeach を引いてみましょう。
impeach = v.t. Make attack questioning (person’s good qualities, etc.)
他動詞で、(ある人物のよい性質などに)攻撃的な質問をすること、と出てきます。
さらに[Law]の記載もされていて、
make statement before certain court that (person) has done crime against the nation etc.
「法律用語」(ある人物が)国家、国民に対して犯罪を行ったということを法廷において明言する
とまとめられています。
拳銃のrevolver を引いてみます。
revolver = n. Gun for use with one hand which may be fired a number of times without new firing material having to be put in.
リボルバー=片手で用いることのできる拳銃で、新しく火薬〈弾薬〉を装填することなく何回も発砲することができる
walk だとこうなります。
walk = v.i. & t. (Of person) go on foot, putting one foot down before taking the other up
長いので、人間だけにしましたが、ここでrun も引いておくことにします。
run = Go on foot at rate quicker than walking; go quickly
こうして見ていくと、英語の考え方に基づいて、とてもわかりやすく、でも英語的に表記されていることが分かります。
こんな辞典を使っていると、難しい単語が、だんだんとやさしく思えてきますね。