日本に来て間もなくのネイティブの方たちから、日本人はYes とNo の区別ができない、と何度か言われました。
たしかにDon’t you like me? と質問されたときに、「好き」ならYes だっけ、No だっけ?と迷うのはわかります。
(正解はYes。英語ではDon’t you と聞いても、Do you と尋ねても答え方は同じです)
そこで、状況を詳しく尋ねてみると、こういうことでした。
自己紹介などで、「わたしは車を運転することができます」というような場合、I can drive. となります。
できなければ I can’t drive. です。
この時の発音の仕方ですが、can drive というのは、can の n の音と、drive の d がくっついた感じでcan drive と一続きのまとまった音の連鎖として出されます。
これに対して、can’t drive の場合、わたしたちの耳には、can drive をゆっくり言ったように、can // drive という具合に聞こえてしまいます。
なぜでしょう。
英語では、一息で、まとまった情報グループを一気に発声してしまう、という性質があります。
I can drive. などはごく短い文ですから、発音する場合には、当然一息でなされる単位です。
I can’t drive. も同じような短文なので、一息文であることは同じですが、ここにcan’t という流れを止めることばがあります。
not というのは、それ一語を発音してみればよくわかりますが、t という音は、連続して他の音を出せない独立した音なのです。
舌をあげて、流れを止めるわけです。
具体的には、英語慣れしていない方が話すような、I can// drive. のような言い方になる。
わたしたちはネイティブではないため、英語を話すときには少しゆっくりした話し方になります。
その状態でI can drive. というと、まるでI can’t drive に聞こえてしまうわけです。
ですから、この問題はYes か No の問題ではなく、息で話すか、声で話すか、という問題なのですね。