解説マニア

文庫の解説を読んでいると、「まず解説を読む習慣のある人たちは、ここから先はネタバレになるから読まないように」とか「解説を読んでから、購入するかどうか決める方には、悪いことは言いません、すぐにお金を出してレジに並ぶことをお勧めします」といった表現にお目にかかります。

これは、文庫の解説を読むことが趣味になっている人たちが案外多くいることを示しています。

実は、わたしもそうした読み手のひとりです。

シャーロック・ホームズ関係の書籍の中には、ホームズ百科事典とか書かれた時代背景を述べた本が山のようにあります。

シャーロック・ホームズを実在の人物である、と考えて、その背景について考察したりするファンがたくさんいます。

わたしは、どちらかというと小説そのものよりも、それにまつわる蘊蓄を好むタイプであるようです。

ホームズの小説はもちろん読みます。

と同時に、解説や、注なども愛読します。

いまでは絶版になってしまったようですが、「詳注版 シャーロック・ホームズ全集」(ベアリング・グールド著、ちくま文庫)は、ホームズ譚を起こった順番に並べ直し、さらに膨大な注を付け加えた労作です。
この全集は、本文の下に、さまざまな研究の成果がのせられているというファンにとっては充実した、そうでない人にとっては余分な知識がいっぱいついた本です。

まあ、それがマニアというものなのかもしれません。

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