刑事コロンボに別れのあいさつを

ハヤカワミステリマガジン2011年11月号の特集が上記のタイトルでした。

コロンボといえば、NHKで放送され大人気となり、その後は民放に移籍して放映され続けた推理ミステリードラマの名作です。
まず、当代の有名俳優演ずる犯人による殺人が描写されます。
そしてコロンボが登場し、少しずつ、事件の真相に迫っていく。
ディベートのように真実を明らかにしていく、と表現する方もいます。

この演出方法は、推理小説では昔からある方法で、倒叙推理小説といわれるタイプのものです。
倒叙、ということは、書く順番が逆になっている、ということで、通常の推理小説なら、殺人が起こり、犯人がだれかはわからない。探偵が証拠を集めて、犯人を指摘する、という流れになります。
これに対して、このパターンでは、まず犯人の側から犯罪が描写され、次に探偵が登場、犯人がきづかなかった計画の穴を見つけ出すわけです。

「古畑任三郎」もコロンボと同じタイプのドラマでした。

コロンボを演じ続けたピーター・フォークがなくなってしまったことで、上記の特集となったわけです。

作家や評論家、編集者といった、推理小説関係者がベスト作品を選んでいて、さらに今度新しく出されるブルーレイのコンプリートボックスの情報が載っています。

ピーター・フォークのコロンボは全部で69本あるそうです。

コナン・ドイルのシャーロック・ホームズが全部で70作ですから、それに匹敵する量の作品が残されたわけです。

わたし自身はリアル・タイムで見ていましたが、DVDなどを買うほどの愛着はなかったのですが、この特集を読んで、ホームズ・ファンにも負けない熱気に圧倒されました。

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