「ギラギラ☆落語ボーイ」三遊亭白鳥

落語小説。
と書いても何のことやらわからないかもしれません。

いうなれば、落語版「巨人の星」パロディー、といえば通じる人には通じるかもしれません。

二つ目になったばかりのピョン太という落語家。
受けない。
仕事がない。
金がない。
三拍子そろって、それでも、おれはプロの落語家だ、というプライドはある。
うまくなくても、自信とプライドはあるから、結構な大ネタを寄席でやる。
あげくに、自己満足の落語をやってんじゃない!としかられる。

ある日、「商店街のお祭りで落語をやって」と頼まれる。
金になるなら何でもやるさ、というわけで、参加するものの、ここには、もう一人出演者がいた。
豆家小三郎。
落語協会に属さず、したがって寄席にも出られない豆家系。
だから、こうしたチャンスにかける熱意はすごくて、端から爆笑をとる。
ピョン太の出来は最悪。

こうした屈辱などから、だんだんとピョン太のやる気にも火がつき始める。

それでも、自信とプライドは邪魔をするのだけれども、だんだんと謙虚さが生まれてくる。

商店街のじいさんばあさんにしごかれ、場を与えられて、それでもちょっとずつ進歩していくピョン太。

この後もまだまだ修行は続くわけですが、たぶん「巨人の星」のパロディーだという意味はご理解いただけたのではないでしょうか。
好きなんです、こういう話。泣けますね。

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