南極料理人

堺雅人さんにはまっています。
以前、「武士の家計簿」という映画を見て、はじめて堺さんがとてもリアリティのある演技者であることを知りました。
「ゴールデンスランバー」では、国家の陰謀に巻き込まれてひたすら逃げる役。これも堺さんの持ち味である人のよさが、他の人から協力してもらえる理由なのだな、という説得力を持ちました。
「クヒオ大佐」では、実在の結婚詐欺師をモデルに作られた映画ですが、ディカプリオの「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」とはちがって、詐欺師が習い性になってしまったクヒオの悲しさのようなものが前面に出ていて、むしろ気持ちはクヒオの側に立ってしまう、という不思議な味わいのある映画でした。

さて、「南極料理人」です。

昭和基地からさらに50キロも奥地の、ペンギンもアザラシモ、シロクマも、いやウイルスさえ生息していないというマイナス52度の世界で、8人の隊員が毎日勤務しています。
そこで料理人として勤務している西村(堺さん)を中心に描いた生活です。

生きていくためには絶対必要な食事。
毎日の任務の中で、ほぼ唯一の楽しみとも言える食事。
堺さんは、ひたすらバラエティにあふれた食事を作り続けます。
あるときにはフレンチ、隊員のリクエストにこたえて伊勢海老の海老フライ。
(ああもったいない!)

こうした中にも、はるかかなた日本にいる恋人に振られる若い隊員もいれば、なんとなく夫婦仲がうまくいかなくなってしまうベテラン隊員、ノイローゼ症状を起こしてしまう隊員。そして懐かしい娘の記念品を氷の海に紛失してしまう西村(堺さん)。
こうした悲喜こもごものエピソードが淡々と描かれていくなかで、一人ひとりの役者の存在感がすばらしい。(豊原功補さんがうまい!)
ぜひ一度、見てみてください。

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