ちきりん「自分のアタマで考えよう」

わたしたちは自分の頭で考えているつもりでいながら、実は「他人の頭で考えている」つまり他の方の考えたことを無意識に自分の考えのように思ってしまっていることがよくあるのだ、ということを教えてくれた本です。

副題は「知識にだまされない思考の技術」とあり、まさにぴったりのことばだと感心しました。

たとえば、プロ野球の将来。
冒頭に挙げられているグラフを見ると、ファンの年齢層が上昇していることが分かります。
これは架空のデータなので、そういうつもりで聞いていただきたいのですが、1970年と2010年のファン年齢が示されています。
前者では40代以上が、後者では30代以上がファンであることを示しています。

これを見て、わたしたちは、プロ野球の将来に対して悲観的になってしまいます。

ファンは大人ばっかりだ。
将来はこの人たちの数が減れば、野球人気は先細りだ・・。

でもこれを見た外国の方の反応は違います。

高齢者は経済的に余裕のある人たち。
だからプロ野球の将来は明るい。
つまり、この後は企画の問題で、過去の名勝負のDVDやラジオの録音を出版することで、リッチなファンを取り込むことができる。

プロ野球の将来は明るい!というわけです。

わたしたちは、つい自分がすでに身につけている「どこかで読んだ知識」や、「だれかの言っていた意見」を自分の考えとして誤解してしまうことが多いのです。

ダイヤモンド社「自分のアタマで考えよう」ちきりん著 1400円+税

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