シャーロック・ホームズが好き!

私の愛読書は、サー・アーサー・コーナン・ドイルのシャーロック・ホームズ・シリーズです。

まだ、小学校5年くらいの頃、図書館にルパン・シリーズ、少年探偵団シリーズとならんで、常備されていたのが、山中峯太郎・翻案のシャーロック・ホームズ・シリーズでした。

残念ながら、ホームズ・シリーズは、なぜか(あとでその理由がわかります)図書館から姿を消しつつあり、誰か借りていってるのかなあ、と思っていたら、やがてなくなってしまいました。

その後、父に連れて行ってもらった百貨店で、ホームズ・シリーズの第5巻、「深夜の謎」だけを見つけました。

せがんで買ってもらいましたが、物語の最初の部分では、ホームズは全く姿を見せず、西部劇のような、展開でした。

砂漠で、道に迷ってしまった中年男性と、小さな娘。

この二人は、親子ではなく、別の場所から、新天地を求めて移動してきた家族の生き残りなのでした。

もう食べるものも、水もなくなり、二人は飢えて死ぬしかない、という局面でした。

そこにやってきたのが、若者たちの多い、大集団。

聞くと、ブリガム・ヤングという宗教家の率いる、モルモン教の集団だという。

入信するか、餓死するか。

男性は、何よりも可愛い娘を救うために、入信を選びます。

そして、その後、娘が十代後半の美しい女性に成長したときに、困ったことになってしまいます。

もともとモルモン教では、一夫多妻制を信奉しているのですが、この集団の中でも、裕福な二人、ドレッパーか、スタンガソンかのこちらかの嫁にするよう、ヤング師から通達を受けます。

ちょうど、そのころ、娘のルーシーは、たくましい青年、ジョナサン・ホープと出会い、恋に落ちるのです。

もちろん、モルモン教徒は、他教徒の人との結婚は認めないし、モルモンの中でも、エリートである、ふたりのどちらかを選ばなければ、死が待っているだけだ、と中年男性フェリアを脅すのです。

期限は1か月。

やがて、毎日、フェリアの家には、30,29,28,という数字の書かれた札が置かれるようになり、残された日にちを示しています。

ルーシーとフェリアは、ホープと計画を立て、このモルモン教集団から逃れることを決めます。

しかし・・

話自体はとても面白く、どうなるかわくわくしながら読んでいましたが、それにしても不思議なのは、シャーロック・ホームズが出てこないこと。

・・・

実は、「深夜の謎」というのは、山中峯太郎が付け直したタイトルで、実は、「緋色の研究」というのが、一般にとおっている題名でした。

そして、原作では、前半の西部劇のようなお話と、後半のホームズがまさに「深夜」に起きた謎を解決する部分とが、逆の順番になっていたのでした!

のみならず、シャーロック・ホームズの人間像が、元気はつらつ、明朗なスーパーヒーローなのでした。

これは、大変気に入って、ほかの出版社から出ていたホームズものも1冊、2冊と買い集めたものです。

図書館に置いてあった、「深夜の謎」をふくむホームズ・シリーズは、ある事情で絶版になってしまい、その後、別の翻訳家による、原文に忠実なホームズものに置き換わってしまいました。

そんなこともあり、わたし自身は、このホームズの謎が気になって、古本屋などでも、少年向けホームズを見つけるたびに、翻訳者の名前を気にするようになりました。

いまでは、エブリの本箱には、新潮文庫、河出文庫、光文社文庫、角川文庫、創元推理文庫などの様々な和訳と、本国版が何種類も並んでいます。

さらに、最近、復刻された山中峯太郎版「名探偵ホームズ全集」がそろっています。

いったいどういう理由で、山中版が入手できなくなってしまっていたのか、その謎も、この新しい復刻版に記載されており、全ての謎が解けることになりました。

そのなぞとは・・

ブログにもちょくちょく、私の好きなミステリの話題を取り上げさせていただこうと考えています。

また、近いうちに、この山中版のミステリもお話しさせていただくつもりです。

お楽しみに!

ちなみに、エブリ・イングリッシュ・サービスでは、ホームズの原作を、英語で読み解いていく講座も展開しております。

ご興味のある方は是非、お問い合わせください。

それでは、また!

 

 

 

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