大学入試で日本を知る!携帯小説の誕生①

大学入試の問題からピックアップしています。

第1段落。

In Japan, people are not only reading novels on their cell phones; they are also writing novels with them–uploading short chapters to specialist websites, where they are downloaded to the phones of millions of readers.  The most popular ones are printed as books and sell hundreds of thousands of copies.

第1文 In Japan,  の文は、結構長いですが、非常に的確な形での話題への導入になっています。

日本では、人々は、携帯電話で小説を読むだけではありません。(この後に;がついています。これはセミコロンといって、「つまり」とか「たとえば」という表現の代わりに使われるもの。ですから、読者が思った「読むだけではなく、どうするの?」という疑問に答えるものです)つまり、彼らは、それら(携帯)を使って小説を書いてもいるのです。(–はハイフンで、この後、より詳しい説明がついたりします。日本語で言うと、ちょうど、この(  )にあたる部分です)短い一章を専門のウェブサイトに挙げて、そのサイトでは、物語は、何百人もの読み手の携帯にダウンロードされます。(specialist websiteですが、このspecialist は、「専門家」の意味ではなく、たとえば、designer child のように、「デザインを組み立てられた子供」(=遺伝子操作をされて、お好みのタイプに変えられた子供)同様、専門のサイトの意味)

第2文 The most popular ones are..

最も人気のある作品は、本のように印刷されて、何十万部も販売される。

第2段落が圧巻で、この文章のテーマである携帯小説が、詳しく述べられます。1行ずつ見ていきましょう。

The Internet has been playing an important role in the evolution of Japan’s latest literary genre.

インターネットは、日本の最近の小説のジャンルの発達に重要な役割を果たしています。

2行目;As early as 2000, keitai shosetsu were appearing on the website Dream Rando, which offered free web pages, on which readers posted diary entries via their cell phones.

2000年ごろから、携帯小説は「ドリームランド」というウエブサイトに登場し始めました。このサイトは、無料のウェブページを提供し、そこに読み手たちは、自分たちの携帯を通じて、毎日日記のようなものを投稿していました。

3行目;However, people wrote in asking for a place where they could write longer works of fiction.  

しかしながら、人々は、このウェブに、もっと長い小説作品を書き込めるような場所が欲しい、と主張しました。

4行目;So, Dream Rando gave them a tool to publish novels, short stories and poems, chapter by chapter just like a real book.

そこで、ドリームランドは、彼らに、小説や、短編小説、詩を、本物の本のように一章ずつ掲載できる道具(=ウェブサイト)を彼らに与えました。

5行目;Many early titles were collaborative products; site members would post reactions to stories while they were being written, and writers would often adapt plots accordingly.

多くの初期のころの作品(title というのは、ひとつひとつの作品のことです)は共同で作られたものでした。つまり、サイトのメンバーが、作品が書かれつつある間に、その作品に対する意見を送り、作者は、しばしば、その意見を受け入れて、筋を変えることを行ったものでした。

(ここで述べられているのは、作者と読者の密接なつながりで、このつながりのために、双方が一体感を持ち、影響力を持つサポーターに変貌していった過程がよくわかります。このつながりは、おそらく、作者に対して忠実な、いつも作品を買ってくれるファンを創り出すことになったのでしょう)

②につづく!

 

大学入試の問題からでも、日本が見える!

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