英検準1級のすすめ②リスニング

英検の問題の採点は、おおざっぱに言って、3つの分野に分けられます。

リーディング、つまり単語と長文、リスニング、そしてライティングの3つです。

この3つについては、均等に点数が配分されています。

実際には、問題数の関係から、リーディングよりも1問当たりの配点は少し高め、と言ってよいと思います。

リーディングに関しては、前回のコラムでも書きましたが、高校卒業レベルから、一般使用レベルにわたる単語が出題されます。

また長文読解では、新聞記事などを参考にした文章で、テレビや新聞などでは、あまりお目にかからないトピックが多くみられます。

この問題については、前回、少し述べておきました。

今日は、リスニングについてお話しさせていただきます。

リスニングは、3つに分けられます。

1つめは、短い会話のやりとりを聞いて、その後の質問に答えるもの。一番オーソドックスな形と言ってよいと思います。

2つ目は、やや長めの文章朗読を聞いて、後に続く問題ふたつに回答するもの。

3番目は、道案内や、医者などに電話した時に、「~の問い合わせは○番、~については、○番」といった具合に説明がなされたとき、何番を押せばよいかを答えるものです。

たぶん、準備としては、最初のものが一番取りつきやすいものだろうと思います。

これは形式として、慣れている、ということが一番大きいですね。

準1級でよくみられるのは、問題(会話)の中に、一つイディオム(熟語)が含まれていて、この意味が正確に取れるか、ということを問うもの。

リーディングでは、単語25問のうち、末尾4問題ほどが熟語問題になっていますが、リスニングでは、もう少し、ウェイトが重くなっているように思います。

たとえば、自分は猫を飼っているが、夏の間に数日、旅行に出かける、といった会話がなされて、最後に、Then who will take care of your cat? に対して、My mother said that she will look after him. といった感じになる、というものです。

ここでは、look after と take care of が同じ意味ですから、

Once her cat has trouble, who will take him to the hospital?  といった質問であれば、My mother が答えになるわけですね。

おそらく一番の難関は、二つ目の問題で、こちらは、ある程度レベルの高い、科学的な、もしくは時事的なトピックに関して、まとまった英文が読まれます。

この英文の内容の前半、後半から一問ずつ、合計2問、質問がなされるというシステム。

2018年度第3回の問題の1つを見てみましょう。

Today, it is not unusual for billionaires to make enormous donations to colleges and universities, especially world-class institutions like Harvard or Yale.  The first contribution of over $100 million, however, was made by billionaire engineer Henry Rowan in 1992.  It went to Glassboro State College in New Jersey.  Rowan’s gift was unusual because Glassboro was a small, public college whose academic reputation was  adequate but not exceptional.  At the time, the college was in serious financial difficulties.  Rowan’s gift not only saved it, but also allowed it to expand its engineering school.  

(今日、億万長者が大金を大学に寄付することは珍しくない。特にハーヴァードやイエール大学のような世界的な教育機関に対しては。一億ドル以上の最初の寄付は、しかしながら、1992年に億万長者のヘンリー・ローワンによって、なされました。この寄付は、ニュージャージー州のグラスボロ州立大学に対してなされました。ローワンの寄付が珍しいものだったのは、この大学が、小さな、公立大学で、学術的な評判も悪くはないが、並はずれたものではなかったためです。当時、この大学は、厳しい経済ン状況にありました。ローワンの寄付は、それを救い、さらに工学系の学部を拡大することもできるようにしました)

Rowan felt that his money would be best spent improving engineering facilities at a college that had a large number of students from low-income backgrounds–people who otherwise may not have become successful.  Many observers agree with Rowan, arguing that donations like his create greater benefits than giving to universities that are already well financed.

(ローワンは自分の寄付が、低所得層の学生、つまり、そうでなければ成功できなかったかもしれない人たちが多くいる大学の工学部の施設の改良に使われるのが最も良いと考えました。多くの人たちは、彼の考えに賛成し、彼が行ったような、寄付は、すでに裕福である大学に寄付するよりも、より利益が得られると主張しました)

そして、その後の質問は次の二つです。

What is one thing we learn about Glassboro State College in 1992?

(1992年のクラスボロ州立大学についてわかることは何か?)

さらに、

Why did Henry Rowan donate to Glassboro? (なぜローワンはグラスボロ大に寄付したのか?)

実際に文は段落に分かれているわけではないので、きっちりと聞き取れていないと、それぞれの質問の解答は見つけにくいかもしれません。

私たちは、リスニングの時に、ついつい、一つの文を聞くと、記憶にその文だけをとどめてしまって、その次の文に気持ちがいかなくなってしまうことがあります。

でも、おおざっぱでもいいので、次の文をつかんでおかないと、特にこういう形だと重要部分は次に登場してくることが多いのです。

紙数が尽きてしまいました。この後はまた次回、書くことにします。

 

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