エブリにも、何人かの受験生の方たちが参加してくださっています。
こうした方たちのために、スタッフは、大学入試問題を解いては、その長所や、欠点を研究することに余念がありません。
今回、従来のセンター試験から改まった、共通テストについて、少しお話しさせていただこうと思います。
今回の共通テストの英語は、二つのテストがあります。
ひとつはリスニング、もう一つがリーディングです。
今日は、リスニングについてのお話をさせていただきます。
共通テスト開催に備えて、書店の大学受験の棚は、新しくなるリスニングの傾向と対策の本でいっぱいになりました。
今回のリスニングテストには、おおざっぱに分けて、二つの特徴があります。
ひとつは、枝葉末節に対するこだわりがおおいこと。
スピードがある程度速いことや、1回しか読まないこと、読み手の国籍がアメリカ、イギリス、オーストラリア、その他のノンネイティブの人がいること、といったハードルはある程度理解できます。
しかし、本題の会話が流れて、そちらの情報が主流になっているのに、実際の質問は、本題とあまり関係がない、というか、ほとんど関係のない枝葉末節に関するものである、というのが、終わりごろの問題には多かった。
以前も、ある程度長い量の長文を読ませて、結果、問われているのが、その大きな流れとは関係のない、話し手のファッション(具体的に言うと何を着ているのか)だったことが別の試験でもありました。
これは、まさに、落とすための出題以外の何物でもありません。
リスニングテストのスクリプトを読むだけで、あきらかにアンフェアな作りです。
もし、こうしたスタイルの出題が続けば、受験生の人たちは、話に耳を傾けるのではなく、話し手のファッションやら、主体の話とは関連の薄いディテールに目を向けるように教育されてしまいます。
これでは、本来の共通テストの目指しているモノとは真逆の方向に生徒を導いてしまうということが言えます。
もう一つの大きな問題は、
スピードの速さと、聞き返し(2度読み)が全くない事です。
何が問題がというと、このようなわかりにくい英語に実社会で遭遇したら、聞き手は、必ず、【聞き返し】をするはずです。
なぜなら、よくわからないことをいい加減に聞き流してしまうことの方が、重大なミスにつながりますから。
平均的なスピードと表現で、流れを理解すれば、受験生レベルの人たちにとっては十分なはずです。
そういう点で言うと、今回のリスニング問題は、あまり良いものではなかったと言えるでしょう。
どんな問題でも、良い点と欠点はあります。
ただ、この出題者は、対象が大学受験であり、英語で生きていくというような人たちへ向けたものではないことを理解しておくべきだと思います。
リスニングに対して、リーディングについては、おおむね評判もよく、難問だと言われつつも、受験者は、案外良い点を取っているようです。
リーディングの試験は、それなりに受験者にとっては、納得できる出題だったと言ってよいようです。
それだけに、リスニング問題が、もうすこし、工夫したものであればよかったのに、と思わずにはいられません。
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