英作文への挑戦①
ここ数年、大きな書店に出かけて、英語のコーナーや、受験英語のコーナーをのぞいてみると、気が付くことは、英作文を主題にした参考書がとても増えていることです。
わたしたちが、受験生だった頃、そして私が教員としてのキャリアをスタートさせたころには、英作文の参考書はとても少なかったし、大部分が、和文英訳で、きっちりと文法にのっとって与えられた日本語を英語に直す、というものでした。
それも、たとえば、so ~ that ・・・で、「たいへん~なので、・・・だった」という形のものです。
つまり、決まった文型に、定められた英語(単語)を当てはめていけば、正解にたどりつく、という形態がほぼ全部だったのです。
この方法は、あまり英語を書くことに慣れていない、中学や、高校に入って間もない人にはふさわしい方法です。
特に、習ったばかりの英文を利用して、日本語としてきいたことのある文を英語に直していく、という作業ですから、まなんだ英語を確認する意味でも、また、3人称単数のsとか、動詞の現在、過去、未来などをきっちりと理解するという意味でも、非常に効率の良いものです。
ただ、日本語と英語とでは、いささか事情が異なってくる場合もあります。
とても基本的なことですが、「おはようございます」を英訳しなさい、といったら、ほとんどすべての人は、”Good morning.”というでしょう。
いくら日本語に忠実だからと言って、”It’s early, isn’t it?” という人はまず、いません。
これは、わたしたちが、朝、あいさつをするときに、英語ではなんというかを十分に理解しているからです。
ところが、少し進んで、「うちの家族は7人家族です」という文になると、あまり耳にしたことがなくなります。
そうすると、多くの場合、わたしたちは、無理やり、意味が近そうな英文を引っ張り出してきます。
たとえば、There are seven in my family. とか、My family is seven. といったような文です。
There are seven in my family. は良いのですが、My family is seven. となると、「うちの家族は七歳です」といったような意味になってしまいます。
たぶん、私たちは、地道に、ひとつひとつの英文を理解して、覚えていくしかないようです。
そこで、まずは、身の回りの表現に耳を澄ましてネィティブの人たちが何と言っているのかを聞き取ること。
さらに、その表現を、繰り返し自分で言ってみて、できるだけ正確に、再現してみること。
この時、できるだけ正確に、という意味は、ひとつひとつの単語の発音だけではなく、文全体がどのように言われているか。
聞き取れる語と、聞き取れない語、耳に慣れている日本語の音とは、何となく違って聞こえる音、さらに、全く違ったように聞こえる音も含めて、できるだけ、聞き取れたとおりにくりかえすことです。
こうすることで、すこしずつわたしたちは、英語の正しい表現を、的確な音といっしょに覚えることができます。
よく質問されるのは、正しいかどうかをどう判断するのですか、ということです。
繰り返して言っているうちに、その表現の言われている場面に何度も出会うと思います。
その時に、耳を澄まして、自分の音と、外国人の方の話している音とを比べてみるといいでしょう。
そうすれば、すくなくとも、自分の音が、外国人の方の音に近いのか、余り似ていないのかがよくわかります。
自分の生活の中には、外国人に会う機会もありませんし、そんな表現を話してもらうこともできません。
そういう方は、身近な英語の本や、CDなどを手に取るとよいです。
今、日本という国は、驚くほど、英語には恵まれています。
もしかしたら、アメリカやイギリスにいるよりも、英語を聞いたりするチャンスは多いかもしれません。
信じられない、という方もいるでしょう。
でも、本屋さんで、ちょっと探してみると、英語の教科書に、CDがついた本がたくさんあって、それを手に入れられると、すぐに、好きなだけ、必要な表現を繰り返して聞くことができます。
いままで、英語の勉強をほとんどしてこなかった。
中学、高校で一通りはやってきたけれども、ほとんど、あるいはすっかり忘れてしまった。
そういう方たちは、まずは英会話というテキストから始めていくとよいでしょう。
その時にお勧めしたいのは、テキストを見る前に、挿絵や説明で、どんな状況か理解したうえで、テキストを見ないで英語を聞くことです。
繰り返し聞いているうちに、頭の中に英語の音が残っていきます。
雑音や、バックの音も含めて、頭の中で再現できるようになったら、少しずつ覚えて、言えるようにしていきましょう。
繰り返し、繰り返し英文を口にしていると、その英文がなじんできます。
いま、わたしは、このエッセイを、英作文というテーマで書いています。
でも、本当に言いたいことはただ一つです。
こうして少しずつ覚えていって、必要なときに口にする英語というのが、あなたの英語です。
それは、自信を持ってあなたが使うことのできる英語です。
綴りも覚えて、書けるようにすれば、手紙も書けます。
メールも送れます。
それが、私の言う、「英作文の学習方法」なのです。
ここでは、すこしずつ、こうすれば、正しく学べる、ということをお話ししていきたいと思います。
とりあえず、本日はここまでにしておきましょう。
初心者の方も、中学、高校の方も、そしてビジネスや、受験の方も、それぞれ身の丈のあった英語をきちんと学ぶことができます。お問い合わせはエブリ・イングリッシュ・サービスまで! メールでホームページから、またはお電話052-934-1030へ!