アジアビジネスの限界点④

今が、アジア系アメリカ人の頑張りどころ、という声も聞こえる反面、一部の白人の間では、黄色人種が世界を滅ぼそうとしている、といったような、一時期のユダヤ陰謀論を思わせる、差別的な言葉がささやかれているようです。

今日は、タイム誌の「アジアビジネスの限界点」の4回目。

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Mylinh Cao, who owns Dua Vietnamese Noodle Soup close to the city center, says that name calling and suspicious looks have been part of her life since she arrived in the U.S. as a 17-month-old refugee of the Vietnam War, including at her restaurant.

suspicious looks = 疑いを持ってみられること

refugee  = 避難民

「市の中心部にほど近い地域にヴェトナム・ヌードルの店を構えるメイリン・チャオさんは、悪態をつかれることや、疑いを持ってみられることは、彼女が生まれて7か月で難民としてアメリカに到着して以来、彼女の生活の一部だった、と語る。もちろん、彼女の経営する蕎麦屋においても」

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In one incident, she says two customers became incensed when she refused them a refund on their mostly eaten meals.

customers = 客

incense = 香をたく、火を燃やす、激怒する

refund = 全額返金する

「彼女によれば、ある時、二人の客が、ほとんど食べ終えた食事の料金を返金するように要求してきた。彼女が断ると、彼らは激怒した」

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“There was a lot of name calling, calling me an ‘Asian bitch,” she says, “saying, ‘Go back where you came from.'”

「ひどい悪態がつかれ、私のことを’アジアのくそ女’と呼んだ。そして、’自分たちの国に帰れ!’といった」

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Other patrons did nothing to intervene, Cao added.

patrons = 客

「他の客たちは、何もしないで黙っていました、とチャオさんはつづけた」

個人自身には、何の罪もなく、何ら責任のないことについて、攻撃されるというのは、たまらない経験に違いない。

そして、それ以外の客たちが、何もしないのも、わかる。

しかし、店を持っているオーナーたちには、たまったものではない。

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For many Asian Americans, the shootings were a tipping point causing them to think differently about racism, and responding to it.

「多くのアジア系アメリカ人にとって、銃撃事件はまさに忍耐の限界であって、この事件をきっかけに彼らは人種差別についての考えを変え、そしてそれに対して対応するようになった」

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“We tend to not speak of what we are going through:  maybe it’s just within our culture,” Tranga, a co-owner of Nails Couture in Griffin, Ga., says.

「私たちは、自分たちが経験していることについては特に触れないようにしています。おそらくそれは私たちの生活の仕方になっています」と語るのは、ジョージア州グリフィンにあるネイルズ・コウチュアの共同経営者であるトランガ氏。

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”We should stand up and speak.”

「私たちは立ち上がって、声を挙げなければならない」

アメリカの銃を持つ自由、身を守る自由の持つ危険性は、疑わしきはさばいてしまう、やられる前にやっつけてしまえ、というモラルのもつ危険性でもある。

少なくとも、アメリカの持つ多民族性がかかえる問題は、日本人の想像を超えたところにあるのかもしれない。

次回は、アジア系のアメリカ人たちの記事の最終回になります。

 

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