英検1級・植物の隠された生活②
Mycorrhizae (しいて言えば、マイカライザ、というのが、読み方ですかね)が菌根にあたることばです。
さてこの菌根、興味深い性質を持っているのです。
まずは、右ページの問題です。
「Suzanne Simard (スザンナ・シマード)さんの「カバの木」「モミの木」に関する実験の表しているものは何か」
選択肢は「カバノキは年間を通じて菌根に(モミの木より)依存している」
「葉っぱがないと、菌根のネットワークがよわくなるので、モミの木は、カバの木よりも環境の有害な気体の影響を受けやすい」
「一つの種では、欠けてしまう栄養素が菌根のおかげで利用できる」
「菌根と植物の関係は、どれほど植物が、菌根に貢献できるかによる」
まるで、植物学者になったような気持ちですね。
二つ目の段落では、ある実験で、栄養素が、菌根経由で植物のあいだで移動するらしいことが分かります。
つまり、選択肢の三番目が、正解、ということになります。
この実験の説明が、詳しく書かれていて、非常に興味深いところがあります。
以前、1級には、カエルの生態の話も出題されていて、それによれば、病気などの広がりで、絶滅した、と思われていたカエルが、実は生存していた。
その理由は、カエルが、病原菌を打ち負かすために、たとえば、水温の高い池に住処を変えた例。
また、カエル自身が、体温を上昇させた例といったものが出されていました。
これも菌根の話と似ていて、生物たちが、わたしたちには想像できないような手段を使って、自然界で生き延びていくさまが描かれています。
おそらく英検1級の出題をされていらっしゃる方の中には、こうした話題に詳しい方がいらっしゃるのでしょう。
新しい知識を、百科事典などで手に入れるのにも似た、わくわく感がありますね。