今日から1級
長文の続きです。
さて、前回バルデューは、階級と好みとは一致する、といっていました。
それでは、下層階級、労働者階級の意識から見てみましょう。
While members of the working class tended to give pragmatic explanations for their taste–citing, for example, utility or entertainment value–responses from the middle and upper classes were more elaborate and revealing.
tend to = ~する傾向がある
pragmatic = 実用的
cite = 例として挙げる
utility = 役に立つ
elaborate = 手の込んだ、精巧な
revealing = 啓蒙的な、暴露的な
労働階級の人たちは、自分の好みを説明するのに、実用的な面をあげるーーたとえば、役に立つ、とか面白いとか。
これに対して、中間の階級や、上の階級になると、なかなか手の込んだ、啓蒙的な反応をする。
上級階級の人たちは、自分たちの優越性に自信を持っているし、自分の好みが、自分たちの地位を作り上げている核の部分を作り上げていると感じている。
そこで、バルデューは、結論付ける。
好みは、(上級階級の)人が自分たちを他のグループの人たちと差別化する基本的な手段なので、階級差別の中心軸をなす。
だから、人の好みは、その階級意識と結びついていて、階級という制度自体を維持するのに役立つ、というわけです。