archrival のはなし

archrival のはなし

archrival ということばがあります。

arch というのは「最高の」というような意味があるようで、ここでは、「生涯の敵」という感じでしょうか。

実は、私の好きな作家、横溝正史さんの戦後の傑作、「本陣殺人事件」で、おなじみ金田一耕助がデビューします。

それはこんなお話です。

耕助のパトロン、久保銀造の娘が、土地の大地主の長男と結ばれることになりました。

式が終わって、二人は、離れに下がります。

数時間後、奇妙な琴の音と、悲鳴が聞こえます。

驚いた家族は、様子を見に、離れに近づくのですが、夜半から降り始めた雪が積もっていて、離れの周りには、足跡も、誰かが忍び込んだ痕跡もありません。

その点を確認したうえで、親族の中でも勇気のあるものが、扉を打ち破って、室内に入ります。

そこには、血まみれの二人の遺体が・・

警察が、周辺の状況を調べていくと、この日の午前中に、奇妙な男が、この家の道を尋ねていたという事実が浮かび上がります。

その男は、マスクをして、指が三本しかなかったというのです。

この男らしい記録は、花婿の昔の記録のノートにも記載があり、「わが生涯の宿敵」と書かれている人物らしいのです。

久保銀造は、親戚に連絡して、金田一をすぐに呼ぶようにいいます。

そして、我らが名探偵の登場となるわけですが・・

それはともかく、この「わが生涯の宿敵」というのが、いかにも archrival という感じではありませんか?

何となく、この本を読むたびに、この表現が、頭に浮かんでくるのです。

archrival というのは、単語としても覚えやすいような気がします。

皆さんはいかがでしょうか?

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