10.話すように書け、は無理
私が、学生だった頃、国語の授業で、作文を書かなくてはならないことが何回もありました。
修学旅行について感想を述べよ、といわれても、「楽しかった」以外には書くこともありません。
先生は、「話すようにかけ」といいましたが、それに従うと、「だらだらした文を書くな」と言われてしまいます。
教員になってから、授業の進め方を検討するために、シナリオのように授業で話すことを書いたことがあります。
この時思ったのは、「話すように書く」ことは無理ですが、「書いたように話すことで、授業はうまくいく」ということでした。
英語で授業をする場合も、シナリオを書くことで、ある程度、まとまったかたちで実践することができました。
これは、シナリオという形をとることで、授業のポイントが浮き彫りにされることがあります。
また、それぞれの表現を一通り考えてみることで、授業の最中に表現とか、進行に悩まなくてよいという点もあるでしょう。
留学経験もなく、周りにいつも話のできるネイティブもいませんでしたが、授業の進め方をまとめていくことで、徐々に話ができるようになってきました。
英会話の指導でも同じことがいえます。
実際に英語を話すときに何をどう話していいかわからない、という人は多いと思います。
どんなトピックでもよいので、それについて、自分が話すシナリオを書いてみましょう。
そうすると、実際にそういう場面になっても、あまり困らずに話を進めていくことができます。
話すように書くのではなく、書くように話せば、意外にうまくいくものです。