11.ぱっと読んでわからなければ悪文
英検1級の問題を眺めていると、本当に難しい文章が多くて、読んでいても大変です。
でも、この文章は、決して悪い文章というわけではなくて、むずかしい、ということなのです。
ところが、私たちが書く英文では、「ぱっと読んでわからなければ悪文である」と断定してしまってよいでしょう。
「ぱっと読んだ」時に分からないのには理由があります。
第一に、主語、動詞がすっきりしていないこと。
ネイティブの書いた英文であれば、修飾語句がかなり多くても、結構すっきり英文のフォーマットが見えてくるものなのですが、わたしたちノンネイティブの作品では、そのあたりがあいまいに見えてしまいます。
第二に、論旨がわかりにくいこと。
これは、このコーナーでも何度か述べているのですが、どうしても私たちは文章を書くにあたって、ついつい脇道というか、余分な気遣いを含んでしまって、メッセージそのものの迫力がぼけてしまう傾向があるようです。
最後に、むやみと難しい表現を使いたがる、という点です。
英検1級の問題などは、冒頭述べた通りで文章が難しい。
それを読んでいる私たちも、ついつい、難しい文章を書こうとしてしまう。
悲しいことに、私たちはネイティブではないがゆえに、難しい文章が、難しいだけではなくて、意味不明の文章になってしまうことが多い、ということです。
とりあえず、わかりやすい文章を書くことを心掛けるのが、私たちにとっては一番安全な道のようですね。