「テロ組織が国政に参加」を認められるか?

タイム最新号、10月17日号の記事からです。

Colombians ponder the future after the shock rejection of a peace deal with FARC
「コロンビア人たちはFARCとの平和に対する激しい拒否の後、平和を考える」

直訳すると、どういう意味なのかよくわかりませんが、実は、コロンビアでは現政権に反対するテロ組織があって、長年にわたり、内戦が日常化していました。

そこで、現政権のサントス大統領が、テロ組織FARCと交渉を重ね、内戦の停止、そして、FARCのメンバーも受け入れて、ともに政府を作っていく、という方策を国民に問うたものです。

In a result no one predicted–not pollsters, pundits or politicians–Colombian voters in the Oct 2 plebiscite shocked the world by narrowly rejecting a peace accord designed to end Latin America’s longest-running guerrilla war.

その結果は誰も予想しないものだった。世論調査員も、ヒンズー教の賢人たちも、あるいは政治家たちも。10月2日の国民投票で、コロンビアの選挙民は、驚くべき結果を出して、世界を驚かせた。それは、ラテンアメリカで最も長く続くゲリラとの戦争をおわらせるために作られた平和協定を僅差で拒否する、というものだった。

pollster は a person who makes or asked the questions in an opinion poll で世論調査員。
plebiscite は、a vote by the people of a country or a region on an issue that is very important で、「とても重要な問題に関する国または地域の人々による選挙」

The no vote topped the yes vote by 0.5%points in a surprise outpouring of disgust over the agreement’s many concessions to the Marxist rebel group known as FARC.

否定の票が賛成の票を5パーセントだけ上回った。これは、マルクス主義の反乱グループFARCとの多くの譲歩をもとにした協定合意に対する驚くほどの嫌悪感の表れだった。

top は to be higher than で「上回る」outpouring は a strong expression of feeling で、「感情が強く表れること」disgust は a strong feeling of dislike for someone で「嫌悪感」

It was a stunning setback for President Santos, who has dedicated his six years in office to disarming FARC.

「これは、サントス大統領にとっては驚きの結果であった。彼は大統領としての6年の任期の間、FARCを非武装化することに打ち込んできた」

stunning は スタンガンのスタンで、「驚かせる」setback は「うまくいかないこと、づまずくこと」

サントス大統領としては、今まで苦労して、それぞれのご機嫌をうかがい、なんとか相手の言うことも認めつつ、交渉してきたのに、どうして認めてもらえないのか!というところなのでしょうが、国民の側からすると、今までテロ活動をしてきたFARC側が、刑に処せられることもなく、今まで務めた(ゲリラとして)給与ももらって、解散されるのは許せない、ということになるのでしょう。

ちなみに impunity というのが、「罰せられない」こと。
また、
Demobilized FARC foot soldiers were to have received cash stipends…
とあります。つまり、
「解散させられたFARCの歩兵たちは、給料の現金をもらって・・」とありますから、敵対していた割には、気前の良い合意ということになるのでしょう。

さて、否決されてしまったわけですが、この後はどうなるのでしょうか?
コロンビアという国の名前を聞いたら、ちょっと注意して聞いてみてください。

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