音読指導について、インターネット上には、さまざまな意見があります。
最近、目を通したものを私なりに要約をしてみます。
「各種教育機関は、英語が発音記号に記載されている通りに発音されているかのように指導している。実際にはそうではない。辞典についている発音どおりに発音する人もいるが、そうでない人の方が多い。発話者の住んでいる地区、教育環境、経験、教養などによって、標準的な音とかけ離れた発音をしている人たちが多い。したがって、標準的な発音を、CDなど利用して学ぶことはあまり意味がない」
たしかに、辞典の標準的な発音と、同じように発音しているネイティブは少ないかもしれません。だからといって、標準的な音を学ぶことに意味ないわけではない、と考えます。
日本語でも、程度は違っても同じような問題はあります。
日本語は子音と母音を組み合わせるので、大きなずれが生じてしまう可能性は低いでしょう。
でも、地区、教養、経験などにより、本来の発音(と考えられている音)とは違った話し方をしている人は決して少なくないはずです。
標準的な発音、というのは、理論的にはこうなりますよ、といった考え方です。
すくなくとも、学習者であるなら、標準をまず学んで、そのあと、同じことを別の(ずれた)発音で言うネイティブを見て、こういう発音も許容範囲なのか、と学んでいく方が現実的です。
発音記号も、基本的には、こうした音が一般的に認知されやすい発音ですよ、という理解でいいと思います。
もちろん、初心者のレベルで、このことを認識するのはおそらく不可能です。
ですから、音読などでこうした発音を覚えていく際には、ある程度の経験を積んだ人たちの指導がぜひとも必要です。
I don’t like it. という英文の末尾、like it の部分は、おそらくほとんどのネイティブが、「ライキッ」のようないい方をするはずです。カタカナ表記では正確には書けませんが、「カイキッ」の「ッ」のあとにはごくわずかなit のtのなごりが残っています。
このあたりの「音変化」は、外国人であるわたしたちにとってはなかなか正確に記述することが難しく、聞き取ることも大変です。
こうした英語発音をマスターしていただくためにも、ぜひ、良き指導者の下、発音・音読の勉強をしていただきたいと考えています。