「地政学」という学問があります。
これは、簡単に言うと、世界の情勢を、自国有利に進めるために、地理的な特徴や、各国の性格を考えながら、行動していくための学問です。
今回、ピックアップしたのは、ニューヨークタイムズに掲載された記事です。
まずは少し、読んでみましょう。
①1 If Joe Biden is elected U.S.president, his top foreign policy challenge will be China–but not the China that he dealt with under Barack Obama. It will be a much more aggressive China, a China looking to supplant American technology dominance, smother democracy in Hong Kong and cybersteal your personal data. Pushing back on that China, without blowing up the global trading system, will require reversing one of Donald Trump’s biggest mistakes–his failure to build a partnership with Germany to counter Beijing.
もし、ジョー・バイデンがアメリカの大統領に選ばれたら、彼の最大の外交の難問は中国になる。この中国は、バイデンが、バラクオバマの下で、副大統領を務めていた時の中国ではない。もっと戦闘的な中国、アメリカの技術的な優位性をひっくり返すこと、香港における民主主義を撃ち滅ぼし、個人情報を盗み取ろうとしている中国である。こうした中国を押し返すために、それも、世界のビジネスシステムを破壊することなく押し返すためには、トランプ大統領の犯した大きな間違いを訂正することが必要になる。中国を相手にするために、ドイツとのパートナーシップをきづきあげるというしくじりを。
①2 Yes, you read that right. The Cold War with the Soviet Union was fought and won in Berlin. And the looming Cold War with China–over trade, technology and global influence–will be fought and won in Berlin.
その通り。貴方の読み方は間違っていない。ソ連との冷戦はベルリンで争われ、勝利を収められた。迫りくる中国との冷戦はーそれは、貿易、技術、そしてごく最適な影響力をめぐってのものだーやはりベルリンで争われ、勝利を収められるべきものだろう。
①3 As Berlin goes, so goes Germany, and as Germany goes, so goes the European Union, the world’s biggest single market. And whichever country–the United States or China– is able to leverage the European Union on its side in the competition for whose technology standards, trade rules and technology will prevail will set the rules for global digital commerce in the 21st century.
ベルリンが動けば、ドイツ全体が動く。ドイツが動けば、EUが動く。それは世界最大の単一マーケットだ。そして、アメリカあるいは中国―いずれの国であれ、競争でEUを味方につけた国が、その技術標準や、貿易のルール、そして技術で打ち勝った方が、21世紀の地球規模の商業の支配ルールを決めることになるだろう。
ここまで読んできただけでも、手に汗を握る英文です。
各文各文が、間断なくつながり、無駄のない、切れのいいつながりになっています。
このThomas.L. Friedmanというライターは、ニューヨークタイムズではよく見かけるライターさんだと思います。
なかなか読みごたえのある文章で、世界の動きを的確に書かれていると思います。
しばらく、この文章を読んでいきたいと思います。
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