はるか昔のことになりますが、英検には、準1級のなかった時代があります。
このころ、1級と2級との差はとても大きく、2級に合格しても、1級の山脈はあまりに高く、そこまでで英語の勉強をやめてしまう人も多くいました。
その後、幸い、準1級がラインナップに加わり、1級はさらに難しくなりましたが、準1級のおかげで、2級合格者にも足がかりが生まれました。
当初、準1級は、2級に毛の生えたようなもの、といっては失礼ですが、まだ、レベルが確立しておらず、どのレベルなのか、見極めにくいものがありました。
でも現在では、英検1級への階段の一団として、確固たる合格要求レベルと、学力養成のバロメーターとして、十分な働きをしていると思います。
特に重要なのは、現在 準1級は、中学、高校と学習を進めてきた英語好きな人たち、そして、英語を必要としている人たちにとって、高校卒業レベル、大学入学レベルというはっきりした目印になっているということです。
2級までが、いわば、高校までの学校での学習の目安だとすれば、高校までの学習内容を一通りマスターした人たちが、自分の学力をさらに上げようとするとき、教科書から一歩すすんだ勉強をするバロメーターと言っていいのです。
たとえば、出題される単語のレベルですが、基本的とは言えないけれど、ネイティブなら簡単に使いこなす程度の単語・熟語が出てきます。
長文も、それまでの級であれば、ある程度、流れが読める、常識的な話題が出題されていました。簡単に言うと、こういう内容ならこういう風に進むな、という予想通りに進んでいました。
でも、準1級の長文では、予想を超えた、というか、今までには、読んだことのない話題が出て、思いがけないストーリーになっていたりします。
英作文でも、2,3級に比べて、要求される英文のレベルが上がり、文法的に正しい英文を、できるだけ正確にかつ、まとまった形で書かなくてはなりません。
しかも、論理的であることが、今まで以上に要求されます。
私たちは、今まで、あまり英作文を書くことを求められてきませんでした。
個人的なことを言えば、英語の授業に限らず、国語の授業でも、「論理的な主張」を行うための作文をする、という教え方をされたことはありません。
大学に入ったあとでも、和文英訳が中心で、それはそれとして非常に役に立ちましたが、ビジネス的なレターライティングのようなものは書く機会がありましたが、主張をメインとする、ショート・エッセイを書く体験はしませんでした。
いま、英検では、そうしたショート・エッセイを要求しています。
そういう意味では、最近の入試での自由英作文の要求と重なるものがあります。
他の英語の試験では、あまり答えてこなかった、時代が求めている課題の挑戦していると言ってよいでしょう。
こうやって眺めてみると、英検準1級という試験は、いま、世の中で要求されているさまざまな課題に対して、答えてくれる貴重な試験であると言っていいと思います。
受験される方の中には、準1級を難しいと感じられる方も多いと思います。
過去問を研究し、問題集を参考にして、どういう答えが要求されているのか、じっくり考えてみてください。
準1級のために勉強することが、いま、望まれている英語力を身につけることになる。
そう考えて、間違いありません。
合格することは大切ですが、なによりも、時間をかけてもいいので、要求されている英語力をきちんと身に着けていく。
これが、この試験を生かす方法だと思います。
これからのコラムでは、数回にわたって、準1級の勉強の仕方について、述べていこうと考えています。
参考にしていただければ嬉しく思います。
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