ドリトル先生、アフリカへ行く

ドリトル先生物語の第1作にあたるのが、この「ドリトル先生、アフリカへ行く」です。

作者のヒュー・ロフティングが、始めて書いたドリトル先生のお話です。

ヒュー・ロフティングは、このシリーズを、生きている間は、ずっと挿絵も書いていました。

ですから、第1作目のこの作品でも、一生懸命、挿絵を書いていますが、初めてのせいもあり、まだまだ、

何となく、洗練されておらず、2作目以降の挿絵に比べると、かなり「もっさり」した挿絵になっています。

私の手元にあるのは、清成孝(きよなり・たかし)さんという方が、注釈された、英光社から出された、Notes on the Story of Doctor Dolittle という本です。

かなり、くわしく注解のつけられて物で、英語版と、注釈本とから構成されています。

その本によると、ドリトル先生は次のように紹介されています。

「医学博士の称号を持った立派な医者だが、動物が大好きで、いろいろな動物を飼って、一緒に住んでいる。家があるのは、Englandの田舎にある、Puddleby-on-the Marshという小さな町。ふとしたことから、動物もちゃんとした言語を持っているということを、ペットのオウムに教えられ、熱心に勉強した結果、いろいろな動物のことばが話せるようになる。そして、人間の医者よりも、動物の医者として、適切な治療を施してやるので、いろいろな動物が先生をしたって集まってくる。

 この物語は、アフリカのサルの間に病気が流行してたいへん困っているという知らせを受け、はるばるアフリカモアで出かける話で、黒人の王様のとりこになったり、ジャングルで道に迷ったり、帰途、海賊に合ったり、いろいろな冒険ののち、無事帰国するまでの物語である」

この後も、主なキャラクターの説明があり、初めて英語で物語を読む人たちにとっても、なじみやすい本になっています。

イギリスでは、残念ながら、この本は手に入らなかったので、帰国後、必要に応じて、この注釈版を買いました。始めのころの挿絵は、残念ながら、やぼったい先生や、仲間たちですが、それでも、挿絵が多くて、なじみやすい本になっています。

英語版のまえがきの後ろの方に、清成先生の書かれた、ご自分との出会いが書かれており、これもまた、とても興味深いエピソードなのですが、これについては、また次回、書かせていただくことにします。

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