2015年度第3回の1級の問題には、parallax という表現が出ています。
これは、ガリレオの地動説に関する問題で、次の形で出されました。
However, objections had quickly been raised against this theory.
(しかし、この説(ガリレオの地動説)に反対する理論が素早く出されました)
For instance, it ran into trouble regarding a phenomenon known as parallax.
(たとえば、視座として知られる現象に関する問題があります)
この「視座」がparallax なわけですが、まあ聞いたことのない表現ですね。
でも、そのすぐ後にこのように説明が出てきますから、それが理解できれば、問題はありません。
Critics in the church argued that, just as one’s thumb held up at arm’s length seems to move from side to side when viewed through one eye and then the other, if Earth really were traveling around the sun, the position of a star would appear to change when viewed from opposite sides of the sun.
ただ、このスペースで4行ですから、かなりの長さですけれども。
Critics in the church argued that, 「協会の反対者たちが言うことには」
just as one’s thumb held up at arm’s length このheld up は後ろから前にかかる過去分詞、形容詞の働きですから、「腕の長さだけ離して掲げた親指」が、
seems to move from side to side 「端から端へと動くように見えるように」
when viewed through one eye and then the other 「一方からもう一方の目で見たときには」
if Earth really were traveling around the sun, 「もし地球が本当に太陽の周りをまわっているなら」
the position of a star would appear to change「星の位置は変化するように見えるだろう」
when viewed from opposite sides of the sun. 「太陽の逆の側から見たときには」
このような、長い文章を、今読んできたような理解の仕方、つまり全文を一気に訳してしまうのではなくて、先入先出、というか、先に入ってきた情報は早めに意味を取ってしまい、後から入ってきたものは、後から理解していく方法で、読みを進めていくと、スピーディに処理することができます。
このとき、流れを中心に見て、「視差」というのが、要は、見た位置によって、見え方が変化することだ、と受け止めることができれば、問題を解く場合、全く支障がない。
そういう意味では、いちいち訳文を作り上げるというより、その場その場で即興的な理解が要求される、と理解してください。