her hair was shot with premature grey とは?
ホームズの引用の3回目。
ホームズの部屋に現れた女性。彼女が震えていたのは、寒かったためではなく、恐怖からでした。
ワトソン博士は、彼女の様子を観察して、記録に取ります。
She raised her veil as she spoke, and we could see that she was indeed in a pitiable state of agitation, her face all drawn and grey, with restless, frightened eyes, like those of some hunted animal.
Her features and figure were those of a woman of thirty, but her hair was shot with premature grey and her expression was weary and haggard.
彼女は話すためにヴェールをあげた。
そして私たちは、彼女が、まさに興奮した、気の毒な状態であることを見て取った。
彼女の顔は、やつれていて、顔色も悪く、落ち着きのない、おびえた目をしていた。まるで、狩りで追われている動物のようだった。
彼女の特徴や姿は、30代の女性のものだったが、her hair was shot with premature grey であり、彼女の表情は疲れて、やつれきっていた。
さて、この her hair was shot with premature grey ですが、もちろん初めの部分は「彼女の髪は」であり、with 以降は「年には早すぎる灰色(=白髪)があった」ということになります。
shot with ですが、「ジーニアス英和辞典」にはshot の項目が3つありました。
1.発射、発砲 2.shootの過去、過去分詞 3.色が変わって見えるような(with)
というわけで、これは3つ目の項がふさわしいでしょう。
つまり「彼女の髪は、年齢にはそぐわない白髪がまじっていた」ということになります。
ストーリーの進展もわくわくするものですが、表現も、とても生き生きしていて、まるで、その現場にいるような書き方ですね。
こうした書き方は、わたしたちにとっても大いに参考になりますね。