前回、ふれておいた「本棚探偵」のシリーズです。
「帰還」か「生還」か、どちらになるか?ということだったのですが、これは、創元推理文庫版の邦訳である「生還」を選んでもらえたようです。
(実は、新潮文庫版では「帰還」で、「生還」か「帰還」のどちらを本来の訳とするかは、その人が最初にどちらの文庫に遭遇したかによるところが多いようなのです)
ところで、電車の中というのは、本を読むのに最適の場所です。
通学電車の中で、お気に入りの本を開いて読みふけり、降りなければならない駅についたときに、「あ~、もっと読みたいのに」と思ったことが何度もあります。
そこで、好きな本を持って、それを読むために電車に乗って一日旅をする、という企画を思いついた古本狂が、「本棚探偵の冒険」「本棚探偵の回想」で古本集めと、豆本づくりの魅力をかたってくれた、喜国雅彦さんなのです。
新作の「本棚探偵の生還」では、別冊付録が付いて、これが「バスカヴイルへの旅、恐怖の旅」というふたつの話を収録した小冊子。
本を読むための一日旅行、というのは、ふたつめの「恐怖の旅」の企画。
当初、喜国さんと元担当編集者の間の話だったはずの企画が、いつの間にやら友達の友達までを巻き込んで、総勢8人に膨れ上がる。
電車に乗り込んだら、本を読む。
騒いではいけない。
このルールなのに、元国鉄職員のコスチュームを着てやってくるテツ(鉄道マニア)あり、またトイレに行ったかとおもうと、銀河鉄道のメーテルに変装したり(しかも写真付き!中年おじさんのメーテルはおぞましい!!)さらに鉄郎、銀河鉄道の車掌までのコスプレ登場!
箱の中にぎゅうぎゅうに詰め込まれた「恐怖の旅」の小冊子と、「本棚探偵」は、いずれも充実した内容でした。